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英雄伝説〜灰の軌跡〜 閃V篇
第90話
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達の危機的状況を切り抜ける方法を考えていたその時、ゼノとレオニダスは決意の表情を浮かべて互いに視線を交わして頷いた後ルトガーにとって驚きの提案を口にした。
「……………………”蒼のジークフリード”、団長を連れて”転移”で撤退する事は可能か?」

「可能だが…………元々一人用であるこの転移の魔導具で更に一人加えて転移魔導を発動させるには少々時間がかかる。」

「その時間は具体的にはどのくらいや?」

「さすがに専門外の為、5分―――いや、せめて3分ほどあれば可能とは思うが…………」

「おい、お前達まさか…………」
ジークフリードに問いかけたレオニダスとゼノの問いかけを聞いてある事を察したルトガーは血相を変えて厳しい表情でゼノとレオニダスを見つめた。


「ああ…………その”まさか”や。」

「俺達はここに残って団長達が撤退する時間を稼ぎ、俺達自身は自分達の力で血路を開いて撤退するつもりだ。」

「…………短い間やったけど、団長とまた一緒にいれて、楽しかったで。…………ま、最後にフィーと会えなかったことはちょっとした心残りやけど…………サザ―ラントで再会できてんから、それでよしとするか。」

「フィーには遊撃士として成功する事を俺達は祈っている事を伝えておいてくれ。―――さらばだ、団長。」

「おい、待て、ゼノ、レオッ!!」
ゼノとレオニダスはルトガーの制止する声を無視してファーミシルス達へと向かい
「くっ…………早まった真似をしやがって、あの馬鹿野郎共が…………!来な――――『長の指示を破るつもりか?』…………てめぇ、俺に古巣の戦友達を見捨てさせるつもりか?」
それを見たルトガーはサザ―ラントでリィン達に見せた紫色の騎神らしき存在―――ゼクトールを呼ぼうとしたが、ジークフリードに銃口を向けられると呼ぶのを中断してジークフリードを睨みつけた。
「重ねて言うが”地精”はこれ以上の”イレギュラー”が起こる事を望まない。―――ましてや”相克”どころか、”終焉”すらも始まっていない状況でゼクトールの”起動者”たる猟兵王、お前を失う訳にはいかない。…………お前にも何か目的があり、我ら”地精”に雇われたのではないか、猟兵王?」

「…………ッ!馬鹿野郎共が…………ッ!」
ジークフリードに図星を突かれたルトガーは唇をかみしめた後ファーミシルス達に向かって行くゼノ達の背中を辛そうな表情を浮かべて見つめた。


「あら?猟兵王と仮面の男は突撃してこないようだけど、なんのつもりかしら?」

「大方、突撃してくる二人は”猟兵王”と”蒼のジークフリード”が転移による撤退をする時間を稼ぐための”捨石”といった所でしょうね。」

「ほう?自ら殺されに来るとはバカな連中だ。ならばその望み通り
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