第90話
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「……………………」
「――――履き違えるな、名もなき猟兵達よ。ここはお前達の”死に場所”ではない。」
猟兵の叫びにサラが辛そうな表情で顔を俯かせている中リウイが意外な言葉を口にして猟兵達を驚かせた。
「俺はお前達の誇りに免じてお前達の故郷が滅ぶ原因の一人としての義理を果したまでだ。そして勝負がついた以上、無為の血を流す趣味はない。」
「あなた…………」
「リウイ様…………」
リウイの猟兵達に対する心遣いにイリーナとペテレーネは微笑んだ。
「くっ…………!」
「…………故郷のみながらず死に場所まで奪われるのか…………」
「それならば…………!」
一方猟兵達はリィン達に止めを刺してもらう事を諦めて自ら命を絶つためにそれぞれ懐から取り出した自決用の武器を首筋にあてた。
「ああっ!?」
「駄目だ…………!!」
「――――オオオッ!」
それを見たミリアムが驚き、ガイウスが制止の言葉をかけたその時鬼の力を解放したリィンが一瞬で猟兵達に詰め寄って次々と猟兵達の自決用の武器を叩き落した。
「ぐっ…………」
「がっ…………」
(くっ、間に合わな―――)
次々と自決を阻止したリィンだったが最後の一人の自決の阻止は間に合わない可能性が高いとリィンが判断したその時銃声が鳴り響いたが、銃口はいつの間にか猟兵に詰め寄っていたサラによって天井に向けられていた為自決は阻止された。
「あ…………」
「バレス、タイン…………?」
「その異名通りまさに”紫電”のような速さでしたね…………」
サラの行動にユーシスと猟兵が呆けている中エクリアは驚きの表情で呟いた。
「――――甘ったれてんじゃないわよ!アンタたちは―――あたしたちは”誇り”のために命を賭けてたんじゃないでしょう!?故郷の貧しさを、誰かの空腹を、ほんの少しの間紛らわせるために…………!子供達を少しでも笑顔にできるそんな二束三文のミラのために…………!―――血と硝煙に塗れたとしてもその生き方を選んだんでしょうが!?っ…………だったら…………だったら最後までその”欺瞞”を貫いてみせなさいよ…………!そうじゃなかったら、大佐が…………パパがあまりにも浮かばれないじゃない…………」
「…………ぁ…………」
「サラさん…………」
「……………………」
サラの怒りと悲痛の叫びに猟兵は呆け、セレーネは心配そうな表情でサラを見つめ、リアンヌは目を伏せて黙り込んだ。
「これも巡り合わせ、か…………」
「サラ…………バレスタイン大佐の娘よ。」
「お前が来た事を…………女神たちに感謝しよう―――」
サラの説得によって自決を諦めた猟兵達は気を失ってそれぞれ地面に倒れた。
「グスッ………
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