第90話
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い!この私を見捨てるつもりか!?この私を―――帝国最大の貴族、次期カイエン公たる人間を!!他の者などどうでもよい―――私を連れて脱出するがいい!」
「ど、どうでもいいって…………―――誰のせいでこんなことになってると思ってるんですか!」
「ひっ…………!?」
バラッド侯爵のあまりにも愚かな発言に一瞬絶句したユウナだったがすぐにバラッド侯爵を睨んで怒りの声を上げ、ユウナの怒りに圧されたバラッド侯爵は思わず悲鳴を上げた。
「自分勝手な思惑だけで准将さんたちを散々振り回して!挙句の果てに列車砲を奪われて新海都の人達を危機に晒して―――!」
「…………ユウナさん。一応、大貴族相手です。」
「へえ…………何となくエステルと似ているよね、ユウナって。」
「む?言われてみれば確かに…………」
「ふふっ、相手の身分に怖じ気ず自分の意見をハッキリ言える所とかはまさにそっくりですよね。」
バラッド侯爵に怒りの声を上げるユウナにアルティナが複雑そうな表情で注意し、その様子を見ていたエヴリーヌの感想にリフィアは目を丸くし、プリネは微笑んでいた。
「――――ユウナさんの言う通りですよ、バラッド侯。自分の身を最優先にしている貴方はカイエン公爵以前に”貴族”として失格ですわ。」
「何だと!?よくもこの私に向かってそのような不敬な発言を――――って、ア、アアアアアアア、アルフィン皇女殿下ッ!?な、何故皇女殿下までアンゼリカ嬢達と共に…………!?」
「クク、このオッサンでもシュバルツァーのツレになって皇女じゃなくなっているとはいえ、元祖国の皇女相手には強気に出れないようだな。」
「フフッ、例え降嫁された事でアルノール家の一員でなくなっているとはいえ、姫様は未だエレボニア皇位継承権をお持ちの上、姫様がエレボニアにとって尊敬すべき皇女殿下であり、ご両親である皇帝陛下夫妻に大切にされ続けている事は変わりませんもの。」
するとその時アルフィンが前に出て真剣な表情でバラッド侯爵を睨んで指摘し、アルフィンの指摘を聞いたバラッド侯爵はアルフィンを睨んで反論しようとしたがすぐにアルフィンの正体に気づくと表情を青褪めさせて狼狽え、バラッド侯爵の様子を見て口元に笑みを浮かべているアッシュにミュゼは静かな笑みを浮かべて答えた。
「―――リィンさんに降嫁した事でアルノール皇家の一員ではなくなり、メンフィル帝国に所属している今のわたくしに貴方達エレボニア貴族を含めた今のエレボニアの政治に口出しする権利はございませんが…………それでもエレボニアの皇位継承権を所有している者の一人として、バラッド侯――――我が身可愛さの為だけに兵達だけでなく、フォートガードの領民達を見捨てようとする貴方には前カイエン公―――クロワール・ド・カイエン同様エレ
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