二十二 忍びの闇
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んな報告受けてな…、」
「おっと」
右近に現在身体を共有させられているダンゾウの部下が、鬼童丸の腕の多さを目の当たりにして、目を白黒させた。
大声で怒鳴ろうとするも、右近によって口を閉ざされてしまう。
『霧の忍び刀七人衆』の忍び刀が保管されている場所へ案内させられたダンゾウの部下。
その身体を乗っ取っている右近は、落ち合って一緒に忍び刀を探した鬼童丸と顔を見合わせた。
「「言ってないからな」」
そもそも『音の五人衆』は、うちはサスケの里抜けに便乗して大蛇丸の許から抜けようと企てていた。
君麻呂・多由也・次郎坊は上手く死を偽造し、ナルトの許へ向かえたが、鬼童丸と右近・左近は『根』のダンゾウに生け捕りにされてしまったのだ。
ナルトが前以って取り引きしていたので身の安全は保障されているが、いつ切られるかも定かではないのだ。
スパイとして潜り込んだ先に手の内を明かす愚か者がどこにいるだろうか。
よって『根』には自分の能力に関しては一切明かしていない。
鬼童丸は能力どころか腕が六本あるというのさえ、徹底的に誤魔化していたので、現在、ダンゾウの部下を驚かせているという次第である。
「お前が長時間出てるなんて珍しいな、右近」
口を右近によって押さえられているダンゾウの部下がふごふご言っているのを尻目に、鬼童丸は右近に訊ねた。
基本的に右近は普段左近の中で眠っている。
だが、今は分離してそれぞれ単体で動いているのを疑問に抱きながら、鬼童丸は巻物の中に『忍刀七人衆』の忍び刀を収納した。
流石に敵のアジトの中を盗んだ忍び刀を持ってうろつくわけにはいかない。
鬼童丸の問いに、右近は「ああ」とダンゾウの部下の口を押えながら、答えた。
「アイツは今、ダンゾウを見張ってる」
今頃五代目火影の綱手の許で、天地橋へ向かう波風ナルの処遇に関して話し合っているのだろう。
木ノ葉の里に関わる情報をナルトだけでなく、鬼童丸や右近・左近にも流してくれる相手からの情報だ。
現在、波風ナルの七班は、うちはサスケと春野サクラの里抜けによって班員がナルしかいない。
班を率いるはたけカカシでさえ、風影の我愛羅の件で木ノ葉病院に収容されている。
その欠員に、ダンゾウは『根』の誰かを送り込む手筈となっている。
その誰かが自分たちであることを、右近・左近、それに鬼童丸は知っていた。
大蛇丸に、かつて彼の部下であった自分たちをぶつける。
要するに、裏切り者である右近・左近と鬼童丸自身を大蛇丸への贈り物とすることで、大蛇丸の警戒心を緩ませようとする魂胆だろう。
死んだと思っていた右近・左近や鬼童丸が実は生きていたとすれば、大蛇丸は彼らを裏切り者だ
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