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渦巻く滄海 紅き空 【下】
二十二 忍びの闇
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りをも、てっきり自分の部下をゴリ押ししてくるかと思ったが…」とぶつぶつ呟いていた綱手は、親指をギリッと噛みしめた。

「カカシの代行に火影直轄の暗部というのはこちらも考えていたことだ。だが、まさか向こうから提案してくるとはな…」

目下の急務は、カカシ班の編成だ。
だが、それにしても大蛇丸の部下である音の五人衆を向かわせるとは、どういう意図あってのことか。

「…それとも何か他に魂胆が、」


ダンゾウの考えが読めない。
苛立ちを隠しもせずに、綱手は再三舌打ちした。














































薄暗い闇に、研ぎ澄まされた刃物がギラリと鈍い光を放った。

鈍刀の兜割・長刀の縫い針・爆刀の飛沫・雷刀の牙。

それぞれ忍び刀とは思えない造形をしている名刀の数々に、鬼童丸はヒュウッと口笛を吹く。


『霧の忍刀七人衆』の特殊な忍刀は代々受け継ぐ習わしとなっており、刀を受け継ぐ度に襲名されてきたが、今や霧隠れの里が所有する忍刀は双刀のみ。
相次ぐ内乱等で再不斬のように所有者が刀ごと次々離反していったからである。故に忍刀の一振りである双刀以外は現在消失している有様なのだ。

再不斬の首切り包丁に鬼鮫の鮫肌、それに霧隠れが唯一所有している双刀『ヒラメカレイ』を除けば、『霧の忍刀七人衆』の忍び刀は幻のものとなっている。

それらが全て自分の手の内にある事に、鬼童丸は軽い感動を覚えていた。



「おめーの無駄に多い手はこの為にあったのかもな」
「いやべつに俺は忍び刀を持つ為に手が六本あるわけじゃないぜよ!?あと、無駄には余計ぜよ!!」

右近の揶揄に、思わずツッコミを入れる鬼童丸だが、その手には四本の名刀がしっかと握られている。

刀というより斧に近い兜割と、斧に巻物を組み合わせた形状の飛沫や、巨大な刺繍針の如き刀の縫い針はともかく、斧と巨大なハンマーを組み合わせる兜割と、二刀一組の牙は二本揃っている。

その為、腕が六本あるからこそ、ひとつひとつの刀を持つことができる鬼童丸に、「これだけ多い忍び刀を一発で持ち歩けるなんざ、コイツしかいねぇわな」と右近はボソッと呟いた。

「で?これで全部か?」
「水月から聞いた話ではそうなるな」

前もって水月と会っている鬼童丸に、普段は左近の中で眠っている右近が問いただす。
水月から直接刀の説明を受けていた鬼童丸は「確かに刀の特徴を知らねぇと、『霧の忍び刀七人衆』の刀だととても気づけないぜよ」と六本もある自らの腕が全て納まっているのを眺めた。


「き、貴様、なんだ、その腕は!!??我々『根』はそ
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