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ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第91話:Tear
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なのか分かっていないのだろう。

「あなた気付いてないの?あなた自身、科学では説明出来ないことを何度もやってのけているのよ?私もそれを見てきたから…みんなもきっとそう思うはずよ」

そう言われたエックスは何となく恥ずかしいのか、頭を掻いた。

「前にも言ったけど、みんながあなたを必要としているの。あなたはみんなの希望なのよ」

「希望…か…そうだといいな…」

「さてと…私は私の仕事をするわ、エックス。多分ルインもデスフラワーに向かうはず…ルインをディザイアから守ってあげて…そして、何時も通りに接してあげましょう?」

「それは勿論だ」

今のディザイアをルインに会わせる訳にはいかない。

ディザイアはデスフラワーで確実に倒すと決意し、エックスはデスフラワーに向かうためにハンターベースのスペースポートに向かう。

一方でゼロはケインの研究所にいるアイリスの面会に来ており、扉の前にはルナもいる。

「おい、爺。アイリスの容態はどうだ?」

「一先ずは安定した。兄弟型は精神がリンクしておるため、片割れが破壊されると精神が不安定となるんじゃ…そう、ビートブートのようにな。特にアイリスとカーネルは元々同一の存在じゃ、その繋がりも普通の兄弟型とは比べ物にならんわい」

「そうか…会っても…良いか?」

「構わないが、今の彼女の精神状態でまともな会話など出来るかどうか…」

「分かっている。」

ドップラーの言葉に頷きながらゼロはアイリスのいる部屋に入ろうとする。

「待ちな」

「ルナか…何だ?」

「彼女に謝るつもりで来たなら止めとけ、そんなことは彼女を追い詰めるだけだぜ」

「だが…俺には…彼女に、他にしてやれることなど…」

「あるぜ」

「何?」

「自分の心に素直になってアイリスにお前の気持ちを伝えてみな。お前にとってアイリスは大切な存在なんだろ?お前の想いが彼女の心の傷ってウィルスを除去するワクチンだぜ」

そう言うとルナはゼロの背を押して、彼女のいる部屋の中に入れた。

そこには瞳には何も映さず、ただメンテナンスベッドに横たわり、虚空を見つめるアイリスの姿があった。

「アイリス…」

「………ゼロ」

ゼロの声に反応し、ゆっくりと振り返って無理に笑顔を浮かべるアイリス。

「(違う…俺が見たいのはそんな顔じゃない…そんな目じゃない…)」

今まで感じたことのない痛みに顔を顰めながら、ゼロはアイリスに歩み寄る。

「大丈夫か?」

「大丈夫…エラーも怪我も全部ケイン博士達が直してくれたから」

「(大丈夫じゃないだろう……そんな顔で…)」

外傷は確かに無くなっているが、エラーよりも深刻な物がアイリスを侵している。


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