第二章
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ギスへと警告した。
「マルクアーン殿…それは私も良ぅ解っております。ですが、私はこの国の魔術師ギルドの長故に、この国を守ることが使命なのです。」
「そうであろうな。そなたは王にではなく、国そのものに忠誠を誓っておるのだからのぅ。ならば…ルーファスとヴィルベルトは連れて行って良かろう?」
「無論です。でしたらもう一人、ルーファスの友であり上級魔術師のウイツもお連れ下さい。何かと役に立ちましょう。」
「そうか…それは助かる。」
マルクアーンとコアイギスがそう話している間、ルーファスらは隣の部屋で待機していた。
今のマルクアーンは《賢者》としてここにいる。歳さえこの城にいる誰よりも高齢であり、その知識は計り知れないのだ。そこへ第一級魔術師であり、多くの称号を持つコアイギス…一体誰が口を挟めようか?王だとて、この二人を相手には出来まい…。
「師匠…」
「言いたい事は分かる…黙っとけ…。」
マルクアーンとコアイギスの声は隣の部屋にも聞こえており、ヴィルベルトは些か物申したい風であった。だが、ルーファスのこの返しに仕方無しと肩を落とし、またあちこちへ移転の魔術で移動しては魔術酔いする自分を想像し…諦めにも似た溜め息をついたのであった。
しかしこの時、ルーファスは話に聞いていた赤毛の女…アリアについて考えていた。
確かに、ルーファスもヴィルベルトと共に彼女に会っている。だが、二人が彼女に会ったのはギルド長を訪ねた一度切り。その後、幾度かギルドに顔を出しはしたが、アリアに会った覚えはない。
とすればである…もしかしたら、コアイギスの護衛にルーファスらが着いた事で、何かしら彼女の中で計画が狂った可能性があるのではないか…?
マルクアーンは星見で未来を知る。それは魔術師ならば誰であれ知っている。
ならば…アリアと言う女が力を持つ魔術師だったとして、今回のような計画を立てればマルクアーンが出てくる筈だと考えても決して不思議ではない。
ではなぜ、危険を冒してまでそんなことをする必要があったのか…?
今更如何に策を弄しても、ゾンネンクラールの現王家と旧皇家が逆転することは有り得ない。それは旧皇家に男系の直系がいなくなったからだ。
ならば、女系の娘でも現王家に嫁がせれば良いだけの話なのだが、このような大きな禍をわざわざ大陸中に起こす必要があるのか?
解を出すには全く情報が足りない…。
尤も、マルクアーンですら首を傾げている有り様なのだ。他に何か…人には知られていない深い理由があると考えて良いと思われた。
「ルーファス、アリアの足取りを追えるか?」
不意に扉が開き、そこからコアイギスが出てきて問った。彼女はルーファスの師であり、第一級の魔術師…だが、アリアの行方を掴むことは出来なかった。
その最大の理由として、コア
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