第二章
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「まさか…先の大戦の様な…。」
「そうならねぇために戻るんだっつぅの!さっさと中央に集まれ!」
ルーファスはそう言って彼らを急かして集め、最後にシュトゥフへと振り返って言った。
「シュトゥフ殿、後は頼みます。」
「案ずるな、任せておけ。」
その言葉を聞くや、ルーファスは移転の魔術を行使した。行く先はリュヴェシュタン王都、王城にある移転の間である。
同じ頃、リュヴェシュタン王都では湧き出す妖魔に苦慮していた。
各個体に然したる力は無いのだが、如何せん数が多い。街の中へと狙いをつけているかの様に現れるため、大規模な殲滅魔術を行使する訳にもいかず、かと言って個別に魔術を行使した所で大した成果もない。
神聖術者なら個別に対処出来るのだが、こちらは全く人数が足りていないのが現状であり、魔術師らは神聖術者に神聖術を施してもらった剣で戦ってはいるが…妖魔の減る気配は全くもってなかった。
「全く次から次へと!どこかに召喚の陣がある筈だ。早くそれを見つけ出さねば。」
コアイギスは苦虫を噛み潰したような顔で、襲い掛かる低級妖魔を薙ぎ倒しながら前に進む。それを見ていた魔術師達は、その何ともない…まるで寄ってくる虫を払い除ける程度で妖魔を倒して行くコアイギスに、彼女の方が妖魔ではなかろうかと思ってしまう程であった。
が…そのことは誰も口にしない。その後のことが容易に想像出来るからである…。
「師匠!」
コアイギスが街の掃除…いや、妖魔を蹴散らしながら召喚の陣を探している所へ、ゲシェンクから戻ったルーファスらが駆け付けた。
「やっと来おったか。ここら辺に妖魔を召喚している陣がある筈だ。早ぅ見付けて破壊しろ。」
事もなげに言うコアイギスに、ルーファスは溜め息をついて探査の魔術を行使したが何も引っ掛からなかった。
「阿呆め。そんな事で見付かるなら、わしでなくとも疾うに見付かっておるわ!」
そうコアイギスに突っ込まれ、ルーファスは眉をピクリとさせながらも方法…と言うより、探査するものを変えた。
今度は妖魔を探査したのだ。
「北西…あれ?ここって…。」
「アーダルベルト、何か分かったか?」
「ああ。北西にある旧教会、今はカタリーナの館付近に一番妖魔が集まってやがる。恐らく館内のどこかに陣はある。」
そうルーファスが返すと、コアイギスはあからさまに嫌な顔をして言った。
「あの以前は東大陸の神を奉じていた教会を館に改装した悪趣味な所か…お誂え向きと言うやつか…。」
そんなことを悠長に言っている間にも、次々に妖魔を倒して行く二人に、後で話を聞きながら着いて行くのが精一杯のヴィルベルトは「もうこの二人だけで良いのでは?」と本気で思ってしまった。それ程、二人の力は桁違いだったと言える。
師が師なら弟子も弟子…その弟
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