第二章
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せねばならない。
旧皇家は政務に関与してはならない…これは鉄則なのだから…。
「じゃがのぅ…そんな大それた事を、一体誰が企むというんじゃ?」
シュトゥフは顎に手をやって考えるが、今の旧皇家の事なぞさっぱり分からない。以前は面識もあり、その様なことを企てる者等ではないと知っている。
だが…それは遠い昔の話である。
そんなことを考えていた折、ルーファスの元に魔術で連絡が入った。
ー ルー、聞こえるか! ー
あまり聞こえは良くなかったが、それはリュヴェシュタンの王都にいる筈のウイツからであった。
「ウイツ、どうした?こんな長距離で…。」
ー そんな事はどうでも良い!早くこっちに戻って来てくれ! ー
「そっちでも何かあったんだな?」
ーああ。こっちではあちこちで妖魔が現れてるんだよ!リュヴェシュタンだけでなく、大陸中だ! ー
「何だって…!?」
「師匠、どうしたんですか?」
ルーファスの顔色が変わったことに、ヴィルベルトは嫌な予感がして師に答えを求めた。
すると、ルーファスは一旦ウイツとの会話を切り、その場にいる全員を見回して言った。
「大陸中に、再び妖魔が現れた。」
「?????!!」
皆凍りついた…。特に、先の大戦を経験しているマルクアーンとシュトゥフは他人事ではない。ルーファスの叔母であるバーネヴィッツ公も今、先の大戦の凄惨さを思い出しているに違いないとマルクアーンとシュトゥフは顔を見合わせていた。
「俺は直ぐリュヴェシュタンへ戻る。皆はこれからどう動く?」
ルーファスの問い掛けに、先ずシュトゥフと二人の魔術師は「ここで戦う。」と答えたが、マルクアーンは「連れて行け。」と答えた。
この戦いを大きな戦にせぬため、早々に首謀者を見つけ出したいのであろう。
「なら一度、こっちに来てる奴らと合流する。」
そう言うや、ルーファスは直ぐに移転の魔術を行使し、そこは再び闇へと閉ざされたのであった。
程なくして、ルーファスらはゲシェンク王都内にある教会へと姿を現した。
元々、最終的にはここに集まる手筈になってはいたが、事が急を要するため、ルーファスは各人に集合のサインを送った。
暫くして、リュヴェシュタンから来ていた魔術師達が集まり始めた。
「ルーファス、一体どう言う事だ?」
「そうです。未だここが安全かも確認出来ていませんが。」
集まった魔術師らは次々にそう言ってはくるが、そんなことを一々説明している暇はない。
「大陸中で今、多くの妖魔が現れてんだよ!グダグダ言ってねぇで、さっさとあっちに戻るぞ!」
皆が集まったことを確認するや、ルーファスはブツブツ言っている魔術師らに向けて怒鳴りつけた。
すると、今まで愚痴を零していた彼らは目を丸くして静かになった
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