リリーの過去
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「どうして殺したのだ……」
「分かんないよ…殺したくて殺した訳じゃないもん……無意識でなっちゃったんだもん……」
暗い顔で呟いたことが嘘のようには聞こえなかった。リリーは自らやったことではないと思う。そして、メタナイトが気になっていると見えたからか、過去話を明かす。
「全てペンダントから始まったんです」
「このペンダントが出来事になっていったのか?」
「はい……。私がこのペンダントをくれたのは私が5歳の頃でした……」
*
かれこれ数年も前の出来事を明かしていく。最初は、ペンダントをくれた出来事。現在リリーは13歳。それから約8年も前のこと、そこから物語が始まった。
『リリー、今日はあなたのお誕生日。お父さんと考えて決めたプレゼントよ』
小さな箱を手に渡す。中身が何なのか袋を開封し、箱を開けてみるとペンダントが入っていた。
『わぁっ……きれい…!!』
気に入ったからか、すぐに身に付ける。『どう?にあってる?』と家族に問う。
『ええ、可愛いわ』
『ほら、リリーこっちを向いて。写真でも撮ろう』
『ふんふーん♪』
父は笑顔が撮りたかったが、ペンダントの輝きに夢中で全く話が聞こえていなかった。『リリーごっぢ向いでよー』と見るからに親バカ感が見られる。母はそれをフォローしたのかスルーしたのかは分からないが『大事にしてね』と呟いた。
『うん!たいじにする!おかあさんありがとう!』
『ちょっとスルーされてる?おーいおーい!』
『あなた、ちょっとは黙っていなさい』
『理不尽にも程がある(´・ω・`)』
リリーは首に付けて大切にしていた。寝る時も、食べる時も、遊ぶ時もいつでもどこでも身につけていた。
*
「最初の頃は優しく振舞ってくれたんだっけ……でも……」
しかし、そんなある日の出来事だった。リリーが11歳の頃の話。稽古をしていてうまくやれないと思い、逃げたくなっていた。
『私に出来ないよこんなこと!』
『何を言ってんだ、これが出来なきゃお前は姫としてやって行けないのだぞ!』
『なんで、私がこんなことしなきゃいけないの!』
リリーが住んでいるとこは城である。つまり、リリーは次期に姫としてやっていくのだ。しかし、本人はそんなことを望んではいない。
『お前が何になりたいのかは知らないが、我々一族は姫、王、王妃を引き継いできた。次はお前が姫としてやっていくのだ。お前がこの役割を務める番だ』
リリーの嫌いな会話の1つである、引き継ぐ話。きっと先祖達は嫌で引き受けていったのではないかと思い込んだからか、反抗をしまくる。
『いっつもその話をする!私はやりたいことを見つけたいの!城の中にずっといるのは嫌なの!』
そう行って城から抜け出して行った。
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