第五十話 冬休みその九
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「本当に」
「何で残念なのよ」
「だってね、お姉ちゃんに随分親しいみたいだし」
「同じ高校の後輩で大教会も同じだからよ」
それだけです、後輩の子なら面倒を見るのも当然ですから。それで私は阿波野君に聞かれたことは何でも答えているだけです。
「それでよ」
「それだけなのね」
「そうだけれど」
「やれやれね、けれどここでお会いしたら」
「会う可能性は殆どないわよ」
本当に夏休みのことはたまたまです、ああしたことがそうそうあっては実家にいても妙にくつろげないです。
「大阪じゃわからないけれど」
「それは面白くないわね」
「私も面白くないわよ」
上の妹と言っていることとは別の意味で、です。
「何で阿波野君を会わないといけないのよ」
「あれっ、お姉ちゃんあの人嫌いなの」
「嫌いじゃないけれど」
そう聞かれると違うと言えます。
「別に。ただね」
「ただ?」
「結構以上に厚かましくて遠慮しない子だから」
何か他の人が言うには謙虚で礼儀正しいそうですが私から見ればそんな子です。
「どうも苦手なのよ」
「そうなの」
「まあ世の中もっと酷い人一杯いるけれどね」
「性格悪い人ね」
「一杯いるから、そうした人も」
それこそどの世界にもです、いい人もいれば悪い人もいます。
「そんな子じゃないけれど」
「厚かましくて、なのね」
「私としてはどうも、なの」
「そうなの」
「おみちにはやけに熱いけれどね」
このことは見ていていつも思います、私も負けていられないと思う位に。
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