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オズのファイター大尉
第五幕その六
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 目の前に一匹の青いドラゴンがいました、物凄く大きなブルードラゴンでその全長は二十メートルはありそうです。
 そのドラゴンを見てです、大尉は言いました。
「さて、あのドラゴンはね」
「どうしたのかな」
「動かないけれど」
「寝てるのかな」
 ジャックはこう考えました。
「それだと」
「どうかしら」
 ドロシーもその大尉を見て言いました。
「一体」
「わからないよね」
「近くに近寄らないとね」
「もっとね、じゃあね」
「丁度通り道だしね」
 ドラゴンは黄色い煉瓦の道にいます、そこに横たわっているのです。
「近寄って」
「見てみましょう」
 実際にどうなっているかとです、こうお話してでした。
 一行はドラゴンのすぐ傍まで来ました、すると。
 ドラゴンは実際に寝ていました、しかもその原因もわかりました。何とドラゴンのすぐ傍にネムリグサがありました。
 それでドロシ―達もその香りにすぐに眠くなりました、トトも神宝達もです。
「ドラゴンの状況はわかったけれど」
「その原因もね」
 ドロシーとトトは眠気に覆われる中で言いました。
「けれどね」
「このままだと私達もね」
「眠くなるから」
「早く何とかしないと」
「じゃあね」
 大尉がすぐに言ってきました。
「草を摘み取ろう」
「摘み取っても」
 それでもと言うドロシーでした。
「草の香りはそのままだから」
「その香りで眠くなるからなんだ」
「ええ、このままだと私達も」
「これはまずいかも」
 神宝も目をこすりながら言います、見れば他の子達も眠そうです。
「早くこの香りを何とかしないと」
「ええ、私達寝てしまうわ」
「それもずっとですね」
「そうなるわ」
「それじゃあ」
 かかしが言ってきました、かかし達は寝ることが全く必要のない身体なので今も眠そうな気配は全くありません。
「ここは香りを何とかしよう」
「香りを何とかすれば」
「ドロシ―達は眠くなくなって」
 そしてというのです。
「ドラゴンもね」
「目が覚めるのね」
「そうなるよ」
「それじゃあ」
 ドロシーはすぐにでした、自分が持っている鞄からです。
 あるものを出しました、それは。
「スプレーだね」
「ええ、必要な時に必要なものが出されるね」
 そうしたスプレーだとです、ドロシーは樵に答えました。
「魔法のスプレーなの」
「オズマがドロシーに渡してくれた魔法の道具だね」
「そのうちの一つよ」
 まさにそれだというのです。
「だからね」
「ここはだね」
「消臭液を出して」
 そのスプレーからというのです。
「そうしてね」
「ネムリソウの匂いを消して」
「それで草を積んで燃やして」
 そうしてというのです。
「ことを収めるわ」

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