艦娘とスイーツと提督と・38
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「………………」ゴゴゴゴゴゴ
無言で艦載機の発艦準備を始める龍驤。その迫力は嘗ての一航戦を担った艦娘に相応しい威圧を兼ね備えていた。
「待て待て龍驤、一旦落ち着こう。なっ?」
「え〜と、それはアレだ、ホラ!ちょっとしたジョークというか……お前も付き合い長いから、解るだろ?なっ?」
「ほーん?……で、言い残す事はそれだけか?」
「いや、だから軽い悪ふざけというかその」
「問答無用じゃボケエエエェェェェェェ!」
龍驤の巻物から艦戦が、艦爆が、艦攻が次々と飛び出して来る。その発艦スピードは正に、ベテランの為せる技、という感じで素晴らしい物だった。……まぁ、それが狙っているのは俺な訳だが。
「ぎゃあああぁぁぁぁぁ!」
この後30分間滅茶苦茶逃げ回った。
「全く、悪戯好きもエエ加減にせぇよ?」
たっぷりと追いかけっこ(?)を楽しんだ後、執務室に戻ってきた龍驤は、ぷんすこ怒りながらも緑茶を啜りながらカステラをバクバク食べている。
「結局文句言いながらも食うのかよ……」
「当たり前やろ?このカステラに罪はないわ。作った奴が問題なだけで、味は最高やし」
「だろぉ?(ドヤァ」
「どや顔やめ〜や!反省しぃ」
「だが断る(キリッ」
「なんでやねん!」
ベシッ、と突っ込みが入る。とはいえ本気で叩いている訳ではなく、漫才のツッコミのように音とアクションが大きいだけの物だが。
「お前みたいに表面上は取り繕ってても、中々素直にストレスを吐き出せない奴も居るからな。そういう奴はこうやってからかったりして、ガス抜きしてやらねぇと潰れちまうだろうが」
その為なら道化だろうが悪役だろうが、なるのは吝かでは無い。
「はぁ……気ぃ回しすぎやろ、それは。でも……おおきに」
「お?なんだ、照れ臭いのか」
赤くしながら小声で感謝の言葉を述べるとか、イジれってフリだろ?どう考えても。思わずニヤニヤしちまうぜ。
「うっさいわボケぇ!カステラおかわりっ!」
「まぁ、からかうのが面白いからやってるだけなんだが」
「結局それが本音かい!最悪やなこのドS提督!」
ドSは誉め言葉です(キリッ
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