暁 〜小説投稿サイト〜
ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第86話:Power Up
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ない。

直接戦ったエックスはバッファリオの寒冷地での実力を良く知っている。

それが、同じ氷属性とは言え全く相手にならずにやられてしまった。

「復元したサードアーマーだけでレプリフォースに対抗するのも限界かもしれない」

「……そう、ね…私が完璧な復元が出来ないばかりに…ごめんなさい」

悔しさや悲しみが混じった複雑な表情で謝罪するエイリアにエックスは思わず慌てる。

「違うんだエイリア!!君には何時も助けられている。今回の戦いも君のオペレートや君のアーマーには何度も救われたんだ。そんな風に言わないでくれ」

「エックス…」

「不安を感じるんだ。バイオラボラトリーで見た黄色いレプリロイドや行方不明になったディザイアのこととかね…ケイン博士やドップラー博士に頼んだ物も完成間近のようだし、今はパワーアップパーツの回収に専念しよう。残りはヘッドパーツとボディパーツだ」

「分かったわ、カプセルの位置を割り出すから少し待っていて」

「頼むよエイリア」

ライト博士のカプセルの反応を割り出すためにエイリアは部屋を後にし、エックスは険しい表情で空を見上げる。

一方、カギキラジャングルではライト博士のカプセルのあった場所に彼女が訪れていた。

カプセルはルインの反応を感知したのか、作動してライト博士のホログラムを出現させた。

『ルイン、どうかしたのかね?』

「……………」

ライト博士の問いに無言のルイン。

傷だらけの状態の彼女にライト博士は困惑するしかない。

『ルイン、何があったんだね?酷い怪我ではないか。話す前にカプセルに入りなさい、修理をしてあげよう』

「………修理なんかよりも、私をパワーアップさせて下さい!!!」

『!?』

膝をついて悲痛な叫びを上げるルインにライト博士は目を見開く。

「今のままじゃ駄目なんです!!私にはもっともっと…力が必要なんです!!お願いします!!」

目から大粒の涙を流しながら叫ぶルインに事情を知らないライト博士は困惑するしかなかった。

まともに話せる精神状態ではないルインを見て、ライト博士は女神から言われていた最後のアーマーを解放する時が来たのかと何となくそう思った。
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