第三章
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「これが」
「そうなんか」
「この琵琶が最近」
少女は手にしている琵琶を見つつ顔を曇らせてチュットに話した。
「この様にです」
「調子が悪いんやな」
「どうも」
「そうなんか、ちょっとその琵琶見せてくれる?」
「それでは」
少女はチュットに琵琶を渡した、するとドルイドであり自然的なものを感じる力の強いチュットは琵琶を持ってすぐにだった。
あるものを感じた、それで少女に言った。
「お嬢ちゃん、この琵琶普通やないで」
「といいますと」
「かなり古いやろ」
「はい、家で代々使ってる」
「百年以上使ってるな」
「おそらく」
「そこまで古く使ってるとな」
それならとだ、チュットは少女に話した。
「どんなもんでも不思議な力が宿るんや」
「そうですか」
「日本では特にこの考えが強い」
付喪神だ、チュット達は起きた世界では実際にその日本にいてこちらの世界でも連合の首都が日本にあるのでよくわかるのだ。
「とにかく古いもんにはな」
「不思議な力が宿りますか」
「そうや、特にな」
「特にとは」
「この琵琶の弦な」
それの話もするのだった。
「これペガサスの尻尾やな」
「ペガサスですか」
「天馬や、けど天馬というてもな」
ここでチュットは少女に断ってあらためて話した。
「中国におるのとちゃうで」
「犬に翼があるですね」
「あれやない」
中国にはこうしたも生きものもいるのだ、尚中国にはこの世界ではペガサスも棲息しているので事情が少し複雑だ。
「言っておくけどな」
「そうですか」
「それでな」
さらに言うのだった。
「ペガサスの弦が古くなり過ぎてて」
「新しいものと交換しないとですか」
「あかんけど」
それでもとだ、彼はまた話した。
「カンボジアにペガサスおるかな」
「そのことですか」
「おったらな」
その時はとだ、チュットは少女に話した。
「尻尾の毛を貰ってな」
「そうしてですか」
「お嬢ちゃんに渡すわ」
「そうですか、では私のことをお話します」
少女はチュットの言葉を受けてだった、そのうえで自分の家つまり住所と職業、名前のことを話した。
少女の名前はラット=ヴァンナリーといった、プノンペンの高校に通っている学生であり住所もわかった。そうしてだった。
チュットはペガサスの尻尾を手に入れたらすぐに少女の家に行くことを約束した、その尻尾の毛を持ってだ。
そのことを約束してだ、チュットはズーと共にペガサスがカンボジアにいるのかどうかから調べた、するとだった。
ラオスとベトナムの国境沿いのジャングルの中にある山の上にわずかに棲息していることがわかった、それでだった。
二人はプノンペンからその山に行くことになったが。
密林を進んでいく中で多
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