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ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第83話:Power
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エイリアはスノーベースへと向かったルインを見送った後、現地の協力者であるフローズン・バッファリオに通信を入れた。
「スノーベースにはルインが向かったから彼女と合流してもらえるかしらバッファリオ?」
『分かった。彼女と合流し、キバトドスの元に向かう。…すまない、僕がキバトドスを倒せないばかりに…』
申し訳なさそうに謝罪するバッファリオにエイリアは首を横に振る。
「仕方ないわ、相手はレプリフォースの将校だもの。あなたのせいじゃないわ…とにかくルインをお願い」
『ああ、ありがとう』
バッファリオはエイリアに礼を言うと、通信を切った。
「スパイダス、スティングレン、フクロウルを倒したから大分レプリフォースの戦力を削れたわ。後はルインがキバトドスを倒せば戦況はこちらが有利に…」
「エイリアさん」
「あら?ダブルじゃない。どうしたの?」
「ディザイア先輩がこれをエックス先輩達に渡すように言われたんデシが、本人達がいないのでエイリアさんが見て欲しいデシ」
「私が?そうねえ、内容を伝えれば良いだけだし…分かったわ」
エイリアはダブルからデータディスクを受け取ると端末に差し込み、内容を確認した。
『エックス隊長、ルイン副隊長…私は命令無視した挙げ句フクロウルに敗北しました。全ては…私の責任です…ハハ…。私は、駄目な奴です…。前に所属していた部隊では、いつも役立たず扱いされて………ここに来て、ようやく第17番精鋭部隊の一個小隊を任せられたのも束の間…全て台無し…です…それもこれも…私に力がなかったから…。力が欲しい…力が欲しいよ…。力を手に入れ…レプリフォースを…イレギュラーを…滅ぼし…今度こそ…英雄になってやるんだーーーーーっっっ!!!!』
「な、何なのこれは…?」
ディザイアの叫び、狂気に満ちた表情に思わずエイリアは目を見開いた。
まるで彼の心の奥底にある負の感情を見た気がしたからだ。
「………何かしら?この言い知れない不安は?」
不安そうにスノーベースの方向を見つめるエイリア。
数十分後にエイリアはディザイアが行方不明となり、ケインの研究所からデータが盗まれたことを聞かされるのであった。
「バッファリオ、久しぶりだね」
「ああ、来てくれてありがとうルイン」
一方、スノーベースではルインがバッファリオと合流し、共にキバトドスを倒すために雪原を歩いていた。
「これは酷いね、これを全部キバトドスがやったの?」
向かう最中に周囲に散らばるレプリロイドの残骸。
それを見たルインは嫌悪感を露にし、バッファリオもまた、拳を握り締めた。
「そうだ、しかも奴からすればこれはただの運動のような物らしい。遊び半分でこんな残酷なことを…!!」
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