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英雄伝説〜灰の軌跡〜 閃V篇
第88話
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達の攻撃対象になっていないとはいえ、いつ砲口がオルディスにも向けられるかわからない状況で自分達はオルディスに残って軍やギルドと協力して領民や同胞達の避難誘導を優先しているカイエン公爵令嬢姉妹とは大違いだな。」

「あらあら。貴族の風上にも置けないわね。まさにあのクロスベル側のカイエン公爵令嬢姉妹とは正反対の愚かな貴族ね。」
バラッド侯爵の反論に対してアイネスは軽蔑の眼差しでバラッド侯爵を睨み、エンネアは口元に笑みを浮かべながらも目は笑っていない様子でバラッド侯爵を見下ろした。するとその時北の猟兵達がデュバリィに近づいて声をかけた。
「感謝する―――我らに死に場所を与えてくれて。」

「これで自治州府(ハリアスク)を落とされた借りが返せるというものだ。」

「礼には及びませんわ。それに私達もある意味貴方達と同じ穴の狢ですし。ですが戦はこれからが本番―――最後の(いさお)、互いに見せますわよ。」
北の猟兵達の感謝の言葉に対して静かな表情で答えたデュバリィは決意の表情を浮かべた。

〜東フォートガード街道〜

「あ…………!」

「セレーネにアーちゃん、新Zのみんな!」

「それにアルフィン殿下やエリゼ達も…………!」
リィン達が急行しているとリィン達の行く先にそれぞれバイクやサイドカーに乗っているユウナ達が待機していた。
「教官、皆さんも!」

「トワ教官の許可を得てきました!」

「うふふ、ここからはレン達も加わってあげるわ♪」

「そうか…………」

「フフ、これも風の導きか。」

「それにしてもクロスベルの件はアリサ達から聞いてはいたけどエリゼ達はともかくアルフィン殿下まで、本当にあたし達に加勢してくれるなんてね…………」

「ふふっ、殿下との共闘は2年前のカレル離宮に幽閉されていた皇帝陛下達の救出以来になりますね。」
セレーネ達の加勢にガイウスが口元に笑みを浮かべている中サラは苦笑しながらエリゼが運転するバイクのサイドカーに乗っているアルフィンに視線を向け、アンゼリカは口元に笑みを浮かべてアルフィンに声をかけた。
「はい。2年前のわたくしは守られるだけでしたが、今のわたくしは皆さんのお役に立てると思いますわ。」

「ふふっ、今のアルフィンは手加減をしているとはいえ、分校長相手に私と共に15分は持ちこたえられますよ。」

「ちなみにアリサさん達からクロスベルの出来事を聞いているかもしれませんが、”火焔魔人”と化した”劫焔のマクバーン”の亡霊相手にもアルフィンさんはわたくし達と共に果敢に戦えていましたわ。」

「第Uの分校長とは確か元結社の”蛇の使徒”の…………」

「”鋼の聖女”―――いや、”槍の聖女”にして”鉄機隊”の主であるサンドロッド
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