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レーヴァティン
第九十六話 都市国家達その八
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「そのことは絶対だね」
「俺達は街を手に入れたいだろ」
「その街の産業と市民をね」
「ああ、周りの村々の田畑だってな」
「だったらね」
「街を攻め落としてもな」
 例えそうしてもというのだ。
「街や市民に手出しするとかな」
「何をしているのかって話になるわ」
「だからだよ、街を攻め落としてもな」
 ボローニャの街、そこをというのだ。
「攻め滅ぼさないさ、あと街の責任者もな」
「殺さないのね」
「まあ降って謝ってくればな」
 それでというのだ。
「いいさ、能力がそれなりにあったらな」
「そのまま迎え入れて」
「こっちの勢力で働いてもらうさ」
「ボローニャはよくまとまっていて栄えている街でござる」
 進太がそのボローニャのことを言ってきた。
「貧富の差もあまりなく」
「じゃあ責任者もか」
「それなりに優れている様でござるな」
「じゃあな」
「降ればでござるな」
「ああ、もうそれでいいさ」
 敵対したことで処刑することはしないというのだ。
「悪人でもないと殺すことはしないさ」
「左様でござるな」
「そりゃ悪政の限りを尽くしたり殺戮とかしてるな」
「そうした領主はでござるな」
「処刑するけれどな」
 これが久志の考えだ。
「碌でもない奴は活かしていても仕方ないからな」
「それ故にでござるな」
「ああ、そんな奴はな」
 本当にというのだ。
「処刑するけれどな」
「それでもでござるな」
「そこそこ優秀な奴ならいいさ」
 そして善良な者ならというのだ。
「そのまま用いるさ」
「じゃあエリザベート=バートリーはどうかな」
 淳二は笑って起きた世界のある意味において伝説の人物の名前を出した。
「あの吸血鬼は」
「あいつ本当に吸血鬼か?」
「そうした説もあるよ」
 数百人の少女を虐殺しその血を絞った風呂に入り永遠の美貌を願っていたという。祖国ハンガリ―では今も悪魔として恐れられているという。
「実際にね」
「もうあいつみたいなのはな」
「処刑だね」
「というか俺達が自分から攻め入ってな」
「成敗するね」
「ああした奴は放っておいたら駄目だろ」
 そもそもとだ、久志は言い切った。
「絶対にな」
「うん、放っておいたらね」
「その領地どうなるんだよ」
 それこそというのだ。
「どれだけの人間が殺されるか」
「あとジル=ド=レイとか張献忠とかね」
「どいつも放っておいたら駄目だろ」
「そうだよね」
「どの話も誇張入ってる気がするけれどな」
「特に張献忠は」
 順一がどうかと言ってきた。
「誇張が入っていますね」
「どう見てもそうだよな」
「はい、あそこまで虐殺しましては」
「領民も部下も家族も殺しまくってな」
「あそこまでそうしていますと」
 
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