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うことだ。見た目からして貧弱なその槍は、通常攻撃では破壊出来ない。しかし、ソードスキルの中でも重攻撃という種類に指定されているスキルだと、破壊できる可能性がある。加えて、それには武器の重量が深く関わってくるのだ。
そして、攻略組内でも屈指の重量を持つ武器であるブラッド・ツヴァイは、その条件を容易に満たすことが出来る。
「オオオッ!!」
デモニッシュ・サーバントの攻撃のリスクを差し引いてもロストソルジャーの武器破壊はリターンが大きい。強引にソードスキルを発動させて、武器を狙いに行く。一歩踏み込んで斬り付けるスキル《ブラスト》を発動させた。見事、槍の脆弱な柄の部分に直撃。パリーンと弾けた槍の残骸片を虚しく握り直すが、そこには何もない。そして、スキルを使用したら必ず発生する、技後硬直。
しかし、ソードスキルは、別の武器種のソードスキルだと繋がることを俺は知っている。体術スキル足技《弦月》。宙返りしつつ蹴る技だ。思い切りロストソルジャーの顎を蹴り飛ばして、ノックバック。隙を生み出し、ソードスキルを繋げて撃破。
残るデモニッシュ・サーバントと相対していると、その背後からソードスキルの燐光が煌いた。ズガッ、ガガガッと連続して剣閃が空に踊る。あのライトエフェクトは、細剣ソードスキルの八連撃《スター・スプラッシュ》。
肉のない骨の部分に、的確に細剣の一撃一撃をヒットさせる技量の持ち主といえば、アインクラッドの最前線にも滅多にいない。あれは……
「キリト君! スイッチ行くよ!」
「おう!」
さらに背後からペールブルーに輝く太い剣が高速で跳ね上がった。斬撃が四回連続で走り、デモニッシュ・サーバントのHPゲージを余さず食らいつくした。片手剣ソードスキル《バーチカル・スクエア》、四連撃技で使い勝手が良い、とはキリトの弁だ。
モンスターの破砕音と破片の後ろに、彼らがいた。キリトとアスナの二人が。
「よう、お二人さん。二人でコンビを組むとはな。珍しいこともあるもんだ」
「まあ……な。色々あって、組むことになった」
「S級食材のお味はどうだったよ」
そう尋ねた瞬間に、肉を手に入れた本人ではなく黒コートのキリトではなく、それを料理した紅白騎士装のアスナが目を輝かせてまくし立てるように感想を連ねてきた。
「それは、もうすっごいおいしさだったよー。ラグーラビットの肉は、シチューにして食べたんだけど、言葉を失うってああいうのを言うのかも」
「うん……確かにありゃ旨かったな……。二日に一回は食いたいレベルだ」
キリトも顎に手を当てて、うんうんと頷いている。相当に旨かったようで何よりだ。
「それじゃ、飯食った流れでコンビ組んだ感じか」
「え、あ、いや、まあ……そうだな」
「う、うん……」
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