暁 〜小説投稿サイト〜
ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第82話:Disappointment
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ア自身を破滅へと誘う最悪の選択になることなど知らずに。
ディザイアが連れて来られたのはダブルの私室で、彼が辺りを見回すが誰もいない。
「ダブル、私に会いたい人とは何処に…」
「近くにいるデシよ?…ね、シグマ様…」
「!?」
背後から凄まじい威圧感を感じ、振り向いた先にはかつて最強のイレギュラーハンターだった、史上最悪のイレギュラー・シグマの姿があった。
「な、何故お前が此処に…」
「それは俺が呼んだからさ」
声に振り向いた時、そこにいるのはディザイアの見知ったダブルの姿ではなかった。
恰幅の良かった体型から細身となり、人相も人懐っこい物ではなく冷酷さを感じさせるものである。
「驚いたかねディザイア?彼は私が造ったレプリロイドだ。液体金属を使用しているために姿形を自在に変えることが出来るのだよ」
「ば、馬鹿な…そんな技術が…」
「まあ、そんなことは今はどうでもいいだろ先輩?あんたには随分と色々と世話になったからなあ。先輩に恩返しさせてくれよ…あんたは…あのルインをエックスから奪って自分の女にしてえんだろ?」
ぴしっと何かが割れるような音が頭の中に響く。
痛みに似た感覚をディザイアは感じた。
「副隊長を…?」
「ディザイア、君はDr.ケイン達の研究所に入ることが出来る数少ないハンターだ。研究所からルインの…一番警戒レベルが低い一番最初の大戦のデータを入手してもらいたい。出来れば最新のデータが欲しいが…流石に時間が厳しいからな」
「ふ、副隊長のデータを?」
一体ルインのデータを何に使うと言うのだ?
ディザイアにはシグマの狙いが何なのか分からず、困惑するしかない。
もしディザイアがルインの正体を知っていればシグマの狙いに気付けたかもしれないが。
「何、私も彼女にちょっとした興味があるのだよ」
シグマが狙うのはルインのアーマーチェンジシステムのデータとボディの詳細データ。
それを入手出来れば自分にとって実に有益な物となるだろう。
「頼むぜ先輩、ルインのデータを手に入れてくれよ。そしてあんたはエックスをぶっ殺してルインを手に入れりゃあいい」
「…ど、どうやって……?」
相手は蒼き英雄・エックス。
戦う度に強くなり、現在進行形で成長している現在のイレギュラーハンターの最強の一角。
今の自分では、相手の足元にも及ばない存在だ。
「君にとって悪い話ではないはずだ。ルインのデータさえ入手してくれればエックスやゼロすら凌駕するパワーを与えよう。」
「パワーを…?」
「私達が君に力を貸してやろう。ルインのデータを入手した暁にはエックス以上の戦士となっているはずだ。君はエックス以上の優れた存在になれる
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