暁 〜小説投稿サイト〜
ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第82話:Disappointment
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エックスではなく自分を選んでくれるかもしれないという淡い期待が崩れていく。

「(ルインさん……。あなたはそこまでエックス隊長のことを…。どうして…私では、駄目なんですか?)」

目の前にいないルインに、ディザイアは心の中で問い掛ける。

だが、その答えは彼自身分かっていた。

思わず自嘲の笑みを漏らしてルインとエックスの絆の強さをいつも痛感する。

2人の間に割って入ることは出来ない。

そう、誰にも出来ないのだ。

ディザイアは近くの端末を使い、空のディスクを差し込むと震える声で言葉を紡ぐ。

「エックス隊長、ルイン副隊長…私は命令無視をした挙げ句フクロウルに敗北しました。」

今のディザイアにルインに会わす顔がない。

イレギュラーハンターの称号を返上し、ハンターベースから去る。

それが、悲しみ、絶望、失意…様々な負の感情に縛り付けられたディザイアに出来る唯一の方法だった。

だが、出ていく前に、エックスとルインに結果を報告しなければならない。

自分の胸に溢れている悲しみを無理やり抑え込んで、報告を続ける。

「全ては…私の責任です」

淡々と語るディザイアの声は震えていた。

『レプリフォースは甘くない。お前は確かに強いが、レプリフォースは戦闘のプロだ。直ぐにハンターベースに戻って来るんだ』

ディザイアの脳裏に、通信でエックスが自分に言った言葉が甦る。

あの時、ディザイアはエックスにこう言い返した。

『ご忠告、ありがとうございます隊長。ですが、今の私の実力は特A級のそれに比類します。過去の大戦の時のようにあなたに頼るしかなかった時とはもう違います。今は、私でも充分やれるんですよ』

しかし、あれだけ大見得を切っていながら自分は元イレギュラーハンターの特A級であるスパイダスには手も足も出なかった。

ルインが助けてくれなければやられていただろう。

そしてエアフォースに向かう時も…。

『ディザイア!!お前は何をしているんだ!!早くハンターベースに戻ってこい!!』

『エックス隊長、あなたは非道な行いをしているイレギュラーを見過ごせと?』

『そ、それは…でも…お前1人で何が出来るんだ。いくら何でも無謀だ!!今すぐハンターベースに戻ってこい!!』

『失礼ながらエックス隊長…私はスパイダスとの戦い以後、更に力をつけました。フクロウルのようにただ後方で指揮するような臆病者には負けませんよ』

あの時、エックスはディザイアの言葉に困った表情を浮かべながらディザイアを無言のまま見つめていた。

エックスは何も分かっていないのだと、当時のディザイアは思った。

だが、分かっていなかったのは自分の方だった。

きっとエックスは、何も知
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