第四幕その四
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「体格が立派なだけでなく」
「我が主の為にと思ってね」
「努力してきて」
「それが今も身についているんだよ」
文武の鍛錬を欠かさないそのことがというのです。
「そうしてね」
「オズの国でもだね」
「学んでいるんだ」
「成程ね、体格だけじゃないんだね」
「戦は体格だけで出来ないのだよ」
それでというのです。
「だからだよ」
「今もだね」
「学問をしてね」
「武芸にも励んでいるんだ」
「そうだよ」
「ううん、それじゃあ」
「体格はともかくとして」
大尉も神宝に言いました。
「努力すればね」
「関羽さんみたいな立派な人になれますね」
「そうなるね」
「ははは、私は只の武人でしかないよ」
関羽さんは立派と言われると謙遜してこう答えました。
「若い頃は乱暴だったしね」
「ですが今は神様じゃないですか」
「そうならせてもらっただけだよ」
「そうなんですか」
「別にね」
これといってというのです。
「私はね」
「別にですか」
「立派でも何でもないよ」
「そこでそう言うのが凄いと思います」
神宝の憧れは止まりません、関羽さんを本当に尊敬する眼差しで見ながらこう言うのでした。
「何といいますか」
「やっぱり新法の憧れは凄いわね」
ドロシーはそんな神宝を見て微笑んでいます。
「中国人だけあって」
「はい、中国に生まれたら」
「関羽さんについてはなのね」
「憧れずにいられないです」
そこまでの人だというのです。
「ですから本当に」
「お会い出来てなのね」
「こんな光栄なことはないです」
「また機会があればお会い出来るから」
「オズの国にいれば」
「その時も楽しみにしていてね」
「わかりました」
神宝はその目のままドロシーに頷きました、そしてです。
皆で関羽さんとさらにお話をして別れました、関羽さんは赤兎馬に乗って何処かへと去っていきました。
皆は関羽さんを見送りました、神宝はその後でまた言いました。
「僕このことは絶対にね」
「そうだよね、僕もね」
「僕もだよ」
「私も忘れられないわ」
「私だって」
ジョージ達四人も続きました。
「関羽さんにお会い出来て」
「お話出来たから」
「もう何て言えばいいか」
「忘れられないとしかね」
「感動したよ」
実際にそうした目になっている神宝です。
「中国で言われている通りにね」
「素晴らしい人だったね」
「強くて学問があって礼儀正しくて」
「しかも謙虚で」
「奢るところもなくて」
「うん、ただ関羽さんって僕達には凄く優しいけれど」
神宝達子供達やオズの国の市民の人達にはです。
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