第七十二話 呂蒙、学ぶのことその八
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「あの国への出兵も無意味よね」
「袁紹は烏丸や匈奴に出兵したけれどね」
「あれは当然でしょ」
「そうよ。度々攻め込んできていたしね」
北の異民族への対策が国家としての最重要課題の一つであるのはこの世界の中国でも同じなのである。この国の逃れられぬ宿命である。
「征伐して当然だったわ」
「袁紹にしてみれば勢力を拡大させる要素にもなったけれどね」
「けれど高句麗はね」
その国はどうかというのである。
「あの国も南越と同じで漢王朝に忠実だから」
「攻める理由はないわね」
「どうやら董卓、その後ろに誰かいるとしても」
「どちらにしても私達全員を潰したいようね」
「冗談じゃないわね。はっきり言って」
孫策は明らかな拒否反応を見せていた。
「さて、どうしたものかしら」
「挙兵の準備はできているわ」
周瑜の言葉が鋭くなる。
「いざという時はね」
「わかってるわ。ただ私達が挙兵する前にね」
どうなるかというのである。孫策はそのことを話した。
「絶対に袁紹辺りが動くわね」
「彼女がね」
「征伐とか言われてそれで切れて動くわよ」
袁紹のそうした性格はだ。彼女達もよく知っていた。
「それで私達にも来いって言うわね」
「そうね。袁紹なら間違いなくね」
「あの娘はすぐに飛び出る娘だから」
何処までもわかりやすい袁紹の性格である。
「それでその時にね」
「私達も乗りましょう」
「そうしましょう」
こんな話をしてだった。二人はこれからのことを考えるのであった。そしてだ。
孫策は今書いているものを書き終えてだ。そのうえでだ。
席を立ちだ。こう周瑜に話した。
「ちょっと。剣を振って来るわ」
「剣を?」
「鍛錬よ、鍛錬」
笑っての言葉だ。今度の笑顔は純粋な笑顔である。
「十三か誰かと一緒にね。ちょっと鍛錬をするわ」
「いいことね。鍛錬も一人でするよりはね」
「大勢でする方がいいからね」
「刺客が来ても大勢だと対処できるし」
周瑜はそのことも踏まえてそれがいいというのだった。
「だからね。ここはね」
「ええ、そうするわ」
孫策はすぐに外に出てだ。中庭で十三達と共に剣を振った。十三は巨大な金棒を振り回している。それを見て暁丸が言うのであった。
「何時見ても凄い」
「これか?」
「それで殴ったら誰でも一撃だな」
「おうよ、鬼に金棒よ」
十三は誇らしげに笑って言う。
「これさえあれば誰にでも勝てる」
「言うものね」
ジェニーが笑って十三のその言葉に反応してきた。
「それじゃああたしにも勝てるのかしら」
「おお、一撃よ」
「どうだか。当たらなければ意味はないわよ」
「当たるから大丈夫だ」
自分ではこう言う十三である。
「絶対にだ。当たるぞ」
「おいおい、
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