暁 〜小説投稿サイト〜
ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第79話:Angel
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笑みを浮かべるゼロにアイリスも笑みを返すが、意を決してゼロに尋ねた。

「ねえ、ゼロ…兄さんと会って…どうするの…?」

「…………カーネルを止める」

少しの沈黙の後、ゼロはアイリスの問いに答えた。

「説得…出来る…?」

「分からん、出来れば対話で済ませたいが…あいつの頑固さは筋金入りだ…あいつの返答次第では戦闘になるかもしれん…」

「…………そう」

「だが…俺は…あいつを死なせたくない。知り合いをこれ以上失うのは…流石に嫌なんでな…」

ゼロの脳裏に浮かぶのは最初の大戦で死んだイーグリードとルインの死顔である。

ルインは帰ってこれたが、今でもあの時のことは忘れない。

「昔の俺は知り合いが死んでも大して動じなかった。しかし最初のシグマとの戦いでイーグリードやルインが死んだ時、俺の中で何かが失われたのを感じた。今なら分かる…あれは“悲しい”と言う感情なんだってな。情けない話だ。身近にいた友人を一気に失ってようやく失うことの恐怖が分かるなんてな」

「ゼロ……」

「…すまん、変な話を聞かせたな」

「いいえ、話してくれてありがとう。後少しで修理が終わるから…もうちょっと我慢を…」

アイリスが言い切る前にアイリスの仲間であろうレプリロイドが駆け込んできた。

「アイリス!!」

「どうしたの?」

「昨日収容した人の容態が…」

「直ぐに行くわ、ゼロ…」

「充分だ、これくらいなら後は自分で直せる。」

幸い両腕の修理は完了しているから後はフットパーツのみだ。

大した損傷ではないし、これくらいなら大丈夫だろう。

「行け、大事なことなんだろう?」

「ええ、ありがとうゼロ!!」

アイリスは礼を言うと、仲間と共に奥へ向かった。

「ふう…」

溜め息を吐くゼロ。

思っていたよりも気を張っていたようだ。

アイリスが残してくれた器具を使い、フットパーツを修理をする。

「………こんなものか」

フットパーツを修理したことで脚部は満足に動けるようになり、ゼロはゆっくりと立ち上がる。

「…アイリスは仲間と一緒に何をしているんだ?」

奥へと向かうと、そこではアイリス達が傷付いたレプリロイド達を修理していた。

「修理しているのか…ここにいる全員……敵…味方関係無く、傷付いた?達を……これがアイリス達の戦いなのか…」

ゼロは修理の邪魔にならないように静かに元の場所に戻ったのであった。
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