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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
黒魔術-Dark Majic- Part6/悪魔を打ち破れ!
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いされ、二人の中で屈辱感が増していった。だが、王手をかけられ身動きできない今に彼らにはどうすることもできなかった。
「観念なさい、トネー・シャラント。ヴィリエ・ド・ロレーヌ。そしてそちらのお二方も。魔法陣をお閉じなさい」
アンリエッタが膝を着いていたトネーの前に立ち、降伏を求めると、トネーの俯いた顔から雫が零れ落ちた。
「…どうしてよ…なんで私ばっかり………」
涙。悪魔の力に頼っても、結局キュルケに勝つことができなかった。自分の不運と無力さをひたすら呪うしかなかった。
すると、彼女たち二人のもとにそれぞれ、仲間に加わっていた女子高生たち二人が歩み寄ってきた。
「トネー、もうやめよう?こんなやり方で気に入らない人たちを消していっても、最後に一人ぼっちになるだけだよ」
「私も、本当は迷ってた…あたしたち、やっぱり間違ってたんだよ。ヴィリエ。あんたももうやめにしよう」
エリカはヴィリエたちにそう告げると、外の景色に目を移す。
巨人たちと悪魔の戦いは、まだ続いていた。だが、今では悪魔…ビシュメルが人質を取っているために、手を出すことができなくなってしまい、街がさらにビシュメルの攻撃で荒れていく。
「あたしたちが当たり前のように過ごしてきた町が、あたしたちの都合で壊れていく…。その分だけ、街の人たちには、今のあたしたちが抱いた以上の心の穢れを抱く人も増えて町がもっと歪んでいって…そうなたらもう…今度こそ取り返しがつかなくなる。あたしもユウキに言われて、目が覚めたから」
「ユウキ…エリカ…」
「く…」
ユウキとエリカの説得を受け、トネーは俯いた。
「…わかってた、本当は。こんなことしたって…寧ろ私たちの品位を自ら落とすだけだってこと。ただあたしは、キュルケの膝を折ってやりたかった…」
彼女がそう告げたとき、ヴィリエは悔しさで顔を歪ませた。自分も同じ、意図的に狙ったことではないにせよ結果的に自分に屈辱を与えたタバサに一泡吹かせることさえできればよかったのだ。親からの評価が著しく下がった分だけ、その痛みを思い知らせたいと思った、ただそれだけだ。街を壊すことまでは、本意ではない。
「トネー、ヴィリエ。まだあたしたちを許せないっていうなら、次からは正面からあたしたちに挑戦なさい。いつでも相手になってあげるわ。
これだけのことができたんだもの。何度だって挑めるでしょ?」
「…本当に、ムカつく女…」
清々しいまでに、自分たちの怒りと憎しみを受け止める意思を見せたキュルケに、トネーは最後に毒を付いて立ち上がった。
すると、外から再び轟音が響いた。
窓の外を見ると、ゼロとネクサスを守り続けるファウストの障壁が、ビシュメルにやぶれかける姿があった。




「ウア、グゥゥ…!!」
人質を取られてしまい、ウルトラマンたちは決定的な反撃に
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