第6章:束の間の期間
第200話「戦いに備えて」
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し蹴りに繋げていたため、相殺される。
「……ダメか」
「守護者の私の時より強くなっているよ?」
「いや、その事じゃない」
「……そっか、あの時の奥義だね?」
一旦戦闘を中断する。
充分良い動きをしていたのだが、優輝にとってはまだ不足していた。
「覚えているのか?」
「守護者の記憶は大まかにだけど私と共有しているからね」
全部が全部という訳ではないが、とこよは守護者の記憶も持っていた。
そのため、当時の戦いで優輝が使った導王流の奥義も知っていた。
「やはり、極意を意図的に使う事は出来ないか。……あの時は、半分無意識な状態でもあったからな」
「使いこなせたら、一対一ならまず負けないもんね」
導王流の極意である極導神域は、ありとあらゆる力の流れを利用し、最小限の力で最大限以上の効果を発揮するものだ。
一対一である以上は、その戦いの流れを乱す事が出来ないため、とこよの言う通りに原則的に負ける事はないと言えるほどだ。
例え複数戦であろうとも、その力は大きな助けとなる。
そのため、優輝は何とかして習得したかったのだが……。
「当時は感情を代償にした。だからこそ出来た訳か」
「もう一度使うには、また何か犠牲にしないといけないって事?」
「少なくとも、意図的に使えなければな」
習得出来なければ、また何かを代償とする。
それは避けたいのが、優輝以外のほぼ全員が思っている事だった。
なお、優輝はいざと言う時はそれも辞さないようだった。
「ただ経験を積み、鍛えるだけではダメだ。幸いにも、当時の感覚は何となく覚えている。そこを取っ掛かりにすれば……」
しかし、そう思う以上に難しい事だった。
故に、今こうして足踏みをしていた。
「とりあえず、私は他の人も見てくるよ」
「ああ」
一旦、優輝ととこよは別れる。
結界内の修行の大まかな目的は、経験を積んで出来る限り鍛える事だ。
いつまでも優輝ととこよのマンツーマンでやっている訳にはいかない。
「ぐあっ!?」
「ん?」
とこよが去り、入れ替わるように神夜が飛んできた。
その相手をしていたのは、奏だ。
「お前の防御を貫くようになったのか?」
「っつつ……そう、みたいだな」
奏と神夜の組み合わせになっていたのは、奏の弱点克服のためだ。
動きが早く、瞬間的な速さならばトップクラスの奏。
しかし、その分攻撃が軽いため、防御が堅い相手には弱かった。
そのため、普段から異常な防御力を持つ神夜と模擬戦をしていたのだ。
「刃に魔力及び霊力を込めて、攻撃を当てる瞬間に第二撃の刃とする……ただ炸裂させるんじゃなくて、一点に集中すれば
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