第6章:束の間の期間
第200話「戦いに備えて」
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あった。
実際は三人だけでなく、鈴と葉月を送り届けた葵や、話が終わった椿もいる。
それどころか、司達、なのは達、さらには式姫達やヴォルケンリッター、プレシア、優輝の両親など、とにかく地球上の戦える者はほぼ全員集まっていた。
「私がとこよの」
「私が姉さんの……」
「僕が緋雪の、それぞれに縁がある存在として、媒体にする」
霊脈の直上に、大きな陣を三つ展開する。
その三つの前に、三人がそれぞれ一人ずつ立つ。
「三人の依代になる型紙は、私が一晩掛けてしっかりと作っておいたわ。二つの境界がなくなって、幽世と繋がった今、式姫とは違う三人を呼ぶのに、型紙の質なんてあまり関係ないけど……」
「その意気や良し、よ。少なくとも損にはならないわ」
鈴が型紙を三枚取り出し、二枚をそれぞれ葉月と優輝に渡す。
実は、この型紙は本来の型紙とは違う。
式姫を収める型としての機能を取っ払い、ただ依代としての機能を増していた。
だが、今回はそれが最適解。椿もその意気に同意していた。
「じゃあ、行くわよ。二人共、しっかり召喚相手の事を思い浮かべなさい」
「はい……!」
「ああ」
霊力が練られ、召喚のための術式が起動する。
「(緋雪の召喚。これで……)」
「(優ちゃんの心に揺さぶりをかけて、感情が戻ってくれれば……)」
召喚を開始した三人を眺めながら、椿と葵は密かに期待する。
「ッ……!」
召喚陣が光に包まれる。
その光が晴れてくると、誰かが息を呑んだ。
「ぁ……」
その声を漏らしたのは誰かは分からない。
優輝の両親か、式姫の誰かか。はたまたそれ以外の誰かか。
「……成功だね」
召喚された紫陽が、確かめるようにそう言った。
同時に、沸き立つようにそれぞれの関係者が飛びついた。
とこよと葉月には式姫達が。緋雪には優輝の両親が。
「緋雪……!」
「大きくなったわね……!」
「お、お父さん、お母さん……!?」
まさか召喚直後に抱き締められるとは思わなかったらしく、緋雪は戸惑う。
「ま……何はともあれ成功ね」
「言った通り、召喚してくれたね」
鈴と、式姫達に飛びつかれながらもとこよが、落ち着いてそんな会話をする。
「話は聞いたよ。あたしらも、力になろう」
「このまま、何もせずにいる訳にはいかないからね」
既にとこよからは話は通っており、紫陽は素直に協力することを了承した。
「お父さん、お母さん……生きてたんだ……」
「えっ?そこから!?」
「……そういえば、緋雪には伝えてなかったな」
緋雪は緋雪で、両親がいた事に驚いていた。
「まぁ、そ
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