猫娘と回想、I・アイランド編
NO.105 回想《10》 走る出久達
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何とか防ぐ。
「こいつは!?」
「轟か!?」
爆豪と切島も気づいたのか驚いた顔をしている。
だが、時間が惜しいのを察したのか、
「お前たちは先に行け!」
そういって轟は出久達の地面に氷柱を生やしてどんどんと上昇させていく。
「俺達が時間を稼ぐからなんとか、上に行く道を探せ!」
「轟くんは!?」
「大丈夫だ、後から必ず追いかける」
「……はい!」
それでその場に残された轟、そして轟に事情を説明してもらった爆豪、切島の三人はヴィランとの戦闘に映るのであった。
三人の心配をしながらも、出久達は上層部に到着したが、やはり隔壁はしまっていて先に進めなかった。
「これからどうする!?」
「これじゃ袋の鼠だぜ!」
「どうすれば……どうすれば……」
出久は必死に周りを見回した。
するとある所に自慢の視力強化で見えた天井に小さい扉が見えるのを確認して、
「メリッサさん。あの天井の扉は使えそう?」
「日照システムのメンテナンスルーム……」
「あれなら非常用のはしごがあるのでは!?」
と、全員は希望を抱くが、問題があった。
それは誰があそこまで、しかも外側から開けるかだ。
もちろんそんな都合のいい個性など持ち合わせていない。
希望は絶たれたかに思われたが、八百万が「まだどうにかなりますわ」と言って、個性で作った小型爆弾をハッチに向かって投げた。
爆発とともにハッチの蓋が外れてダクトが顕わになった。
そう、通風口から外に出て外壁を伝って上の階にいくというものだ。
しかし、ここで問題になってくるのがどうやって小さい穴から外に出て、さらには上まで登っていくのか……。
身体が小さくて、さらには自力で上に登っていけるような個性を持っているのは……そう、小柄な峰田に白羽の矢が立てられた。
「お、おいらかよ!?」
「お願い、峰田くん!」
「あんたが頼りなんだよ!」
「バカバカ! ここ何階だと思ってんだよ!?」
現実的には80階で命綱もなしに壁を伝っていくのは自殺行為だ。
だが、全員からの鼓舞の言葉に、そして上鳴の女子にモテモテになれるかも……と言う言葉でなんとかやる気を出した峰田は飛び出していった。
そしてさながらとある警察官が孤軍奮闘する映画『〇イ〇ード』みたいな無茶苦茶を峰田はなんとか個性である『もぎもぎ』で何度も意識を失いそうになりながらも登り切って全員にはしごを降ろしてやり切った顔のように、
「さぁさぁ! おいらを褒め称えたまえ、女子達!!」
それで出久、お茶子、八百万に耳郎……そして最後にメリッサに、
「すごいわ、峰田くん。さすがヒーロー候補生ね!」
と、褒められて峰田はまんざらでもない顔をしていた。
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