暁 〜小説投稿サイト〜
楽園の御業を使う者
CAST36
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「うみゅぅ…みゅぁう…」

屋台で食べ物を買い長テーブルに移動した一行は昼食を取る事となった。

水波が白夜を膝に乗せ、その両隣を真夜と深夜が、深夜の隣に穂波、真夜の隣に深雪、達也と続く。

その対面には摩利、真由美、香澄、泉美が座る。

「せっかくの九校戦なんだしバチバチやってないで楽しめば? 人生損するよ?
うみゅぁ…みゃふ…」

「君は能天気でいいなぁ…」

「能天気じゃダメかな摩利さん? みゅあ…」

「ダメではないのだけど……」

真由美が真夜と深夜に目を向ける。

両者手を伸ばして白夜の頬をむにむにと弄っていた。

「みゃふぁ…」

「ああ、真由美さん気にしなくて結構よ。私達は白夜君で遊んでるから」

「安心していいわよ。真夜に関して弘一さんには思う所はあるけど、娘である貴女に何かするほど器量は小さくないから」

真夜と深夜が立て続けに言った。

「七草様、渡辺様」

二人を呼んだのは達也だった。

「ここは一つ、九校戦期間中は互いに無干渉という」

「にゃぅぅ…だからなんでそう喧嘩腰なのさ? 飴でも食べて落ち着けよ達也」

白夜が懐から飴玉を取り出す。

七草の姉妹には見覚えのある包み紙だった。

達也は貰った飴玉を敢えて口にした。

中身が何かを知っていて。

「…………………」

無言。

達也は無言で飴玉を舐め続ける。

「おい達也、飴玉完食した程度で優位に立つ気か?」

「……………………すまん席を外す」

達也が席を立ち、トイレへ駆け込んだ。

白夜の対面に座る四人が、走る達也の背中に哀れみの視線を向けた。

ああ、コイツも振り回される側の人間なのか、と。

そんな中、深雪は内心白夜を評価していた。

四人に達也に対して憐れみを、振り回される側という仲間意識を持たせた事に関して。

「みゃふぅ……ねぇ昼御飯たべないの?
屋台物は出来立てだから旨いんだぞ」

と白夜が袋から焼きそばのパックを出す。

「そ、そうだな。では食べるとしようか」

四葉との因縁がない摩利が白夜に続く。

「あ、淑女諸君。歯に青海苔がついてたら浄化魔法やったげるけど?」

「嫌よ。あれゾワッとするもの」

「やったことあんの深夜さん?」

「歯を磨くのが面倒な時に時々やるわ」

「あら、ちゃんと磨かないとダメよ姉さん」

「誰のせいで私が歯磨きも面倒なほど疲れてると思ってるのかしら?」

「しょうがないじゃない。私が出ていったら絶対に面倒になるもの」

「はぁ……毎回メイクするの面倒なのだけれど」

「マジックペンでいいじゃない」

「殺されたいのかしら真夜?」

「あら病弱な
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ