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レーヴァティン
第九十六話 都市国家達その五
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「そうした家は俺達を嫌ってるみたいだな」
「注意しないと駄目よ」
 双葉がそうした家について久志に言ってきた。
「絶対に」
「ああ、油断したらな」
「一服盛るとかね」
「刺客とかな」
「それで動きを止めてくるから」
 この世界では復活の術等で暗殺されても蘇ることは出来る、だから殺害で口封じや邪魔者の排除は出来ないのだ。
 しかしだ、それでも動きを止めてその間に何かが出来るというのだ。
「あと政治的な抹殺もね」
「してくるな」
「むしろこの世界ではね」
「ああ、暗殺よりもな」
「そっちの方が主流よ」
 暗殺で排除は出来ない、それでなのだ。
「不祥事やら何やらを探してね」
「そうしてだよな」
「公表してね」
「失脚させることが多いな」
「そうよ、スキャンダルの暴露よ」
「この世界では本当に多いな」
「特にあんたは」
 双葉は久志を見てここで言った。
「弱点があるわよ」
「?何だよそれ」
 弱点と聞いてだ、それでだった。
 久志は双葉の顔を見てだ、そのうえで言った。
「俺の弱点って」
「あんたこっちの世界じゃ結婚してるでしょ」
「ああ、わかった。結婚してるとな」
「愛人さんとかいたらね」
「色々言われるな」
「ええ、人を攻めるに一番いいのはそっちよ」
 下半身、そこだというのだ。
「女性問題やらで駄目になった政治家多いでしょ」
「俺達の世界でもな」
「こっちの世界の倫理に反する様な話があれば」
「ないとでっちあげてな」
「そうしてね」
「失脚させるか」
「あんたは結婚している分やりやすいのよ」
 そうしたスキャンダルを仕掛けることがというのだ。
「だから注意しなさいよ」
「俺愛妻家のつもりだけれどな」
「そう思って油断したらね」
 その時はというのだ。
「やられるわよ」
「油断から隙が出来てか」
「そうよ」
 まさにそれによってというのだ。
「だからね」
「注意が必要か」
「ええ、だからあんたはね」
「身の回りは注意しろ、か」
「そう、あんたの支持もなくなるわよ」
 その不祥事によってというのだ。
「それが事実無根でもね」
「事実無根の不祥事の追求もあるな」
「そうよ、だからね」
 それでと言うのだった。
「くれぐれも注意しなさいよ」
「よくわかったよ、スキャンダルはでっちあげようと思えばな」
「幾らでも出来るわ、相手に隙があれば」
「怖い世界だな」
「その怖い世界が政の世界でね」
「俺達が今いる世界か」
「それで相手はね」
 まさにというのだ。
「そっちのプロよ」
「スキャンダルで攻める、か」
「何度も言うけれど毒殺があまり効果がないから」
 自分達が起きている世界よりもだ。
「だからそっちでね」
「潰すのが主流だか
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