第三幕その七
[8]前話 [2]次話
「そういうのも」
「実際に面白いよ」
「寮にいる時もね」
「皆といつも一緒だし」
「あちらはあちらで快適よ」
「寮ねえ」
寮と聞いてです、大尉はこう言いました。
「何か軍隊の隊舎みたいなのかな」
「ううん、軍隊ですか」
神宝は軍隊と聞いて考えるお顔になりました。
「僕よく知らないですが」
「そうなんだね」
「隊舎も寮みたいですか」
「そうかもね。皆が一緒に暮らしているから」
だからだというのです。
「私はそう思っているんだ」
「そうなんですか」
「ウィンキーの国にもあるしね」
ウィンキーの兵隊さん達の為のそれがです。
「とはいってもオズの国は戦争や災害はないから」
「そうしたお仕事がなくて」
「閲兵とか訓練とか門の警備をしているけれど」
「兵隊さんもいて」
「オズの国の全部にいるね」
ウィンキーだけでなくです。
「このマンチキンにもカドリングにもギリキンにも」
「そしてエメラルドの都にも」
「全ての国にいるけれど」
「数は少ないですね」
「けれどその人達の住む場所としてね」
「隊舎があって」
「寮ならオズの国の各地の学校にあって」
そしてというのです。
「王立大学にもあるけれど」
「あそこにもですか」
「あってね」
それでというのです。
「その寮も見て思ったんだ」
「隊舎に似ていますか」
「何処かね」
「そうだね、確かに」
樵は大尉のその言葉に頷きました。
「団体で暮らしている場所だしね」
「それだけにですよね」
「隊舎と寮は似ているね」
「軍隊と学生の違いはあっても」
「人は人だからね」
「似ますね」
「そうだね」
「僕は寮や隊舎に暮らしたことはないけれど」
かかしも言ってきました。
「見ている限りでは似ているね」
「うん、確かに」
ジャックは大尉達のお話に頷きました。
「似ているのは確かだね」
「その寮にいても」
神宝はまた言いました。
「これまた楽しくて」
「そういえば私も寮で暮らしたことはないわね」
ドロシーもこのことに気付きました。
「ずっとカンサスのお家にいるか」
「オズの国だと冒険か宮殿か」
「どちらかにいるから」
トトにも答えます。
「寮に入ったりしたことは」
「なかったね」
「隊舎に入ったことも」
「ドロシー軍隊とは無縁だしね」
「そうなのよね」
「そうした風だから」
「ええ、私がいる場所は」
それは何処かといいますと。
「エメラルドの都の宮殿か」
「それかね」
「今みたいに冒険をしていたら」
「テントの中だね」
「暮らす場所はね」
「そうなってるよね」
「軍隊もテントでよく寝泊りするけれど」
大尉がまたドロシーに言ってきました。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ