第三章
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「いや、ひょっとしたら賊がこっちに戻って来るかも知れんから」
「その時にですか」
「取り押さえろと言われますか」
「いや、その時は教えてや」
こう言ってだ、二人に貝殻を渡したのだった。
「これでな」
「おお、貝殻ですか」
「それを使って」
「うち等に連絡してや」
「わかりました」
「そうさせてもらいます」
二人は房江に確かな顔で応えた、こうしてだった。
二人は房江から貝殻を受け取るとだった、彼女と若山を見送った。そうして房江は若山と共にだった。
尊重と神主から迷路の地図を受け取ったうえで迷路に入った、迷路の罠は二人は術で見破っていこうと思ったが罠はその前にだった。
全て見破られ壊されていた、しかも番をしている筈の霊獣の魔物達もだった。
全て倒されていたらしく出て来なかった、それで房江は若山に話した。
「こら相当な」
「出来る賊やな」
「こうしたことのプロ中のプロやな」
「プロの墓場荒らしっていうかな」
「社とお寺とか迷路を荒らして生きてる」
「そんな奴やな」
「ガチでな」
まさにとだ、房江は若山に木造の迷路の中を進みつつ述べた。
「これはや」
「凄腕やけどとんでもない罰当たりの」
「悪党や」
「職業はシーフか忍者か」
「そんなとこやろな」
「魔物も全部倒してるとこ見ると」
「これは相当強いな」
「ほんまにな」
二人でこう話してだ、そしてだった。
二人は迷路を進んでいった、ここで村長と神主から受け取った地図が生きた。二人は順調に迷路を進んでいき。
三層あった迷路の一番奥の玄室にすぐに辿り着いた、その部屋はかなり広い部屋だったがそこにだった。
様々な種族の柄の悪い者達がいた、房江は自分達がいきなり玄室に入って来て驚く彼等に対して言った。
「自分等村の霊石奪って売るつもりやろ」
「なっ、何だお前等」
「村の奴等か?」
「俺達に気付いたのか」
「それでやっつけに来たってのか」
「やっつけに来たけど村人やない」
房江はそこは断った。
「通りすがりの冒険者や」
「二人連れのな」
若山も柄の悪い者達に答えた。
「それでお前等やがな」
「こうした場所を専門的に荒らすな」
「それがどうした」
忍者装束に身を包んだ男が出て来て言ってきた。
「俺達はそうしてな」
「やっぱり生きてるか」
「そうさ、所謂盗賊団ってやつさ」
「やっぱりそやったか」
「この村の霊石の話を聞いてな」
「手に入れて奪うつもりやな」
「そうさ」
見れば玄室の奥に大切に祀られている直系五十センチ程の黒い石がある、奇麗ではないが整った形をしている。
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