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ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第66話:Understanding
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そんな弱虫じゃったのかーーーっ!!馬鹿もんーーーっ!!馬鹿もん!!」

ゼロが何とか止めているが、ケインは暴れることを止めない。

大事な友人を失った悲しみがケインを支配していた。

「どうして…ドップラー博士…これからだったのに…」

涙ぐむルインを見て、サイバーエルフはふよふよとドップラーの亡骸に近付いて治癒能力を使った。

「おい、チビ。無駄だ、ドップラーが死んだ以上治癒しても無意味だ」

ケインを止めながらゼロはサイバーエルフに治癒を止めるように言う。

[ミ〜〜〜…]

直せないと言われたサイバーエルフは悲しそうな表情でドップラーを見つめる。

「……………」

エックスはシグマの城を見つめながら拳を握り締め、シグマの城に向かおうとした時である。

サイバーエルフの小さな体から光が放たれ、それにより全員の視線がサイバーエルフに釘付けになる。

『ドップラー博士、君は死なない。今はレプリロイドではなく電子生命体として生き延びるの…』 

ルインは自分の電子頭脳に響き渡る声に目を見開くが、それどころではなく光を浴びたドップラーの亡骸が消えていく。

「ドップラーの体が…」

「消えていく…!!」

「ど、ドップラー!!」

消えていくドップラーに慌てて駆け寄るケインだが、手が触れる前に弾かれてしまう。

「ぬう!?」

「ケイン博士、大丈夫です多分…多分ドップラー博士は…」

「ああ…暖かい…何と暖かい光じゃ…」

光と共にドップラーの亡骸は消滅し、代わりに現れたのは半透明のホログラムのようなドップラーであった。

「ドップラー…?」

「年寄りが泣いても可愛げがないな」

顔をぐしゃぐしゃにしたケインをからかうように言うドップラー。

「だ、誰が年寄りじゃあ!!そ、それよりもドップラー…お主…」

ドップラー「詳しい原理はわしにも分からんが、どうやらわしは電子生命体になったらしい。この子と同じようにな…ケイン…どうやらわしはやり直すチャンスを与えられたらしいな」

「…っ、当然じゃあ!!お主の才能で償いをすべきなんじゃ!死んで楽しようなど許さんからのう!!」

「ふふふ…厳しいな。わしはボディを失ったが、ボディが新しく出来るまでは今出来る範囲のことで償いをしよう」

「お主のボディなどわしがパパっと造ってやるわい!!僅かな時間でも楽はさせんわい!!」

「…………奇跡だ」

一部始終を見たエックスがポツリと呟いた。

「ああ、ここまで常識外れだと奇跡と言うしかないな」

「でも良かったよ。ドップラー博士が幽霊みたいな状態でも生き残って…あれってレプリロイドの魂なのかな…もしそうなら、私達レプリロイドにも魂は宿るんだね」

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