純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 17
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ている女神アリアへの「感謝」よ」
此処が願うだけで誰かを救える易しい世界なら、誰一人として、こんなに苦しい思いはしなくて済んでいたでしょうね。
「…………んだよ……っ! オレが悪いのかよ!? 母さんが死んだのはオレの所為だって言いたいのかよ……!?」
背筋を伸ばして腕を組むプリシラの呆れが混じる一言に、眼光鋭く歯を食い縛っていたクァイエットが喉を低く震わせる。
「納得できない?」
「できるかッ!! オレ次第で助けられたかも知れないなんて、今更そんな……そんな……信用できるもんか、そんな作り話ッ!!」
「……でしょうね」
「ああ、そうだ。そうだよ、もう十年以上前の話だもんな。今更になってお前達が弱者を見捨てた事実が表沙汰になるのは、都合が悪いんだよな。だからそんな虚構をオレの前に並べ立てて、オレに責任転嫁しようとしてんだろ! この、卑怯者の大嘘吐きがッ!!」
「うそつきじゃないもんっ!!」
再び声を荒げ出したクァイエットの言葉が押さえていた耳にも届いたのか、黙ってしゃがんでいたミネットがいきなり猛然と立ち上がり、プリシラの真横で机を何度も何度も叩く。
「ぷりしらさまはうそつかないもん! うそはわるいことだから、わるいことはしたらだめだって、ぷりしらさまがいったんだよ!!」
「っうるせぇ! 黙れクソガキ! てめえの意見なんざ聞いてねぇわ!!」
「だまんない! ぷりしらさまは、うそつきじゃないもん! あやまって!」
「はぁあ!? なんでオレが!」
「ぷりしらさまはわるくないのに、ぷりしらさまをわるくいった! ぷりしらさまを、うそつきっていった! ぷりしらさまに、ちゃんとあやまって!!」
ダンッ! と、一際強い力で両手のひらを机の上に叩き付け、燭台の明かりを弾いて煌めく金色の目でクァイエットを睨むミネット。
純粋で真っ直ぐな怒りを受けた囚人は、一瞬だけ怯んだ表情を見せ
「…………嘘は悪い事、ねぇ……?」
唇の両端を持ち上げて俯き、くつくつと肩を揺らしながら笑う。
「そうだよ! うそついたら、だめなの!」
「……だとさ。良い洗脳教育してんなぁ? プリシラ=ブラン=アヴェルカイン公爵閣下」
「あら。何の話かしら?」
「他人の目を欺くって意味じゃ、嘘も隠蔽も大差無ぇだろって話さ。……おい、クソガキ」
「がきじゃない! みねっとはみねっと!」
「名前なんかどうでもいい。お前に良い事を教えてやる。本当は護衛の奴らにも直接聞かせてやりたかった、とっておきの良い事をな」
「……いいこと?」
「ああ。此処で偉そうに腕を組んで座ってるお前の大好きな「ぷりしらさま」が、これまでお前ら孤児に対して何をして来たのか、だ」
唐突な話題転換に首を傾げる幼
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