純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 17
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! 肝心な時だけは放置しておいて、何が祈れだよ!! 何が救済だよ!! 結局お前らアリア信仰は、金を出す奴以外に用は無いんだろ!? 欲に塗れた薄汚い人殺し詐欺集団の分際で偉そうにするんじゃねぇよ、クソが!! お前も死ね!! そこに突っ立ってるガキも死ね!! 誰も助けてくれない孤独と苦痛と絶望の中で、みんなみんな、泣きながら死んでしまえッ!!」
血を吐いてもおかしくない大絶叫が、夜の静寂を激しく揺らす。
突然の轟音とクァイエットの鬼気迫る豹変ぶりに驚いたミネットが咄嗟に目を瞑り、両耳を塞いで蹲った。
しかし。
「嫌よ。私にはまだ、やりたい事もやるべき事もたくさん残ってるもの。貴方の駄々如きで死んであげられるほど、この命は安くないの」
プリシラは姿勢も表情も崩さず、手負いの獣を連想させるクァイエットの殺気立った形相を冷静に見据えている。
少しも揺るがない、お前など取るに足らない存在だとでも言いたげな、冷めた目線。
それがまた、クァイエットの顔に満ちた憤怒を色濃くしていく。
「母さんの命が安いとでも言いたいのか、クソ野郎が……ッ!!」
「……もうメンドクサイから、逆に尋くわ。貴方、お母様が元孤児だった事は、お母様が亡くなる以前から知っていたでしょう。どうしてお母様が倒れた時、孤児院へ助けを求めに行かなかったの? 余裕ではないにせよ、頑張れば子供の足でも辿り着ける場所に在った筈よ」
「!?」
「お母様は町の中で突然倒れたそうだけど、その時の貴方は町民の善意で運ばれて行くお母様にしがみ付く以外何もしなかったと聞いているわ。そして、突然倒れたという事は其処まで症状が進む前に何らかの兆候が身近に居た貴方にも見えていたと考えるのが自然なの。そういう病気だったからね。なのに……ねぇ、どうして倒れるまで気付かなかったの? どうして誰にも助けを求めなかったの? もしかして」
弱っている者は、誰であろうと無条件で助けられるのが当然だ……なんて、思ってない?
「それはっ……!」
「そうよ。皆にそう在ろうと説いているのが他ならぬアリア信仰であり、アリア信徒達。でもね。何故そうした教えを広める必要があると思う? 答えは簡単。この世界の実態が、理想とは程遠い場所に位置しているからよ。貴方が壊すまでもなく、ね」
元が何者であろうと弱者は食い物にされる。
助けを求める声は罵声に潰され、宙を掻く手は無造作に振り払われ、存在理由すら目障りだと踏み躙られ。
厄介事に巻き込まれまいと保身に走る一般民は、それらを総て見世物と嘲笑いつつ距離を置くか、見なかったことにして存在ごと記憶から消したがる。
「こんな世界だからこそ、少しずつでも変えていこうとアリア信仰が説教を上げ続けているの。な
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