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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百十九話 自由惑星同盟の力は底知れません。
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立っていた。どちらかと言えば弱気なジンツァーも同様である。だが、バルトハウザーも負けてはいない。彼に加勢したのは同じくロイエンタール麾下のシュラーである。

「くそっ!!ジンツァー、こんな奴らに任せておけるか!?各艦各部隊の再編を急いで、小癪なバルトハウザーめらが功を横取りする前に敵を一掃するぞッ!!」
「わかっている!!麾下各艦各部隊、体勢を立て直せッ!!」

 この結果不思議な現象が起こった。ミッターマイヤー麾下の四天王は、異様な敵を前にして怖気づいてしまうよりも、味方に功を奪われることへの恐れが脳裏を支配し、勇猛果敢に敵を攻めたてたのである。グリルパルツァー、クナップシュタイン、バルトハウザー、シュラーらも負けじと敵を乱打し、開戦から半日で自由惑星同盟の襲撃部隊を撃退せしめることに成功したのだった。

だが――。

「俺は卿らのような功を独占せんと流行るイノシシ武者を麾下に持った覚えはない!!!」

 戦闘詳報を報告しにやってきた四天王たちの頭上に、ミッターマイヤーの大喝がベイオウルフに響き渡る。これを苦り切って見ていたのはロイエンタールもである。戦場から帰還してきた提督たちを待ち受けていたのは盛大な叱責だった。

「卿らがこれ以上功利をむさぼらんと言うのであれば、俺としてはそのような部下はいらぬ。ローエングラム公に直訴して独立して敵の首都を襲うように進言すればよい。そうすれば卿らの功績は歴史に名を永久に残すであろうよ。成功すればな。」

 と、ロイエンタールも部下を叱責し、四天王以下は散々な目に合ったのであった。うなだれる諸提督の頭上に別の声が降ってきた。

「軍人たるもの功を求めんとするのはごく自然な事だと私は思います。」

 一同は「おやっ。」という思いで顔を上げる。その視線の先にはキルヒアイスが立っていた。

「ですが、貴官らは将官であり艦隊司令官です。将官たるものの心得の中で最も重要なのは、自らの功という私の心を律し、上級将官の指令によく服し、かつ全軍の中で自らの掌握する部隊が何を成せばよいかを常に理解しようと努力することであると思います。残念ながら、貴官らはそれが欠如しているのではないかと思います。」
『・・・・・・・・・。』
「時には上級将官の指令を無視することも必要かもしれません。ですがそれは全軍の危機に際して自らがどのように行動すればよいか、確固たる信念がある場合だけです。」
『・・・・・・・・・。』

 諸提督たちはうなだれてミッターマイヤーの旗艦を後にする。本来であれば、ラインハルト自らが叱責する場面であるし、現にそうしようとラインハルトが動きかけたのだったが、それぞれの長であるミッターマイヤー、ロイエンタール、キルヒアイスが制止した。ラインハルトがこの光景をモニター越しに見、何
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