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大蒜だらけ
第五章
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「この骨が」
「密売業者やな」
「この連中は生き返らせて」
「それから警察に突き出そうな」
 石川は決断を下した、そしてだった。
 石川は志賀と共に骨を赤穂の警察署まで持って行って身分を明かした。そうしてことの次第も話してだった。
 密売業者達を術で生き返らせたうえで警察に突き出した、程なくして彼等の悪事と密売ルートが明らかになり彼等は厳罰に処せられた。
 全てが終わってだ、二人は赤穂の街を去ろうとしたが。
 そこで山田にだ、彼の屋敷に招かれて言われた。
「いや、実はですね」
「実は?」
「実はというと」
「妻に出馬を止める様に言われました」
 そうなったというのだ。
「大蒜で儲けて選挙資金を得ていることがです」
「奥さんに言われて」
「それで」
「そんなせこいことをする様な人間が市長になっても」
 例え当選してもというのだ。
「大きなことが出来るのか」
「市長さんとして」
「そうした確かな政が出来るか」
「そう言われてですか」
「止めました、もっとも不正をしなかっただけ」
 資金獲得にだ。
「よかったとも言われていますが」
「それで、ですか」
「はい、選挙には出ないです」
 こう石川そして志賀に話した。
「私は」
「左様ですか」
「そうした次第で」
「それがいいかも知れませんね」
 石川はここまで聞いて述べた。
「ほな」
「はい、大人しく家業に精を出します」 
 こう言ってだった、山田は二人を大蒜料理でもてなした。暫くして魔物達のことがわかって騒動は収まった。だが山田はこれを機に大蒜を赤穂だけでなく周りの街や村にも売る様になってそれなりに儲けることが出来た。
 全てが終わり二人は赤穂を後にしたが。
 赤穂を出たところでだ、石川の手にあるものが宿った、それは何であるかというと。
「算盤や」
「鴻池家のな」
 石川はその算盤を手に志賀に答えた。
「あの大商人のな」
「それが自分の三つ目の神具やな」
「そや、コンピューターや」
 心の中から聞こえてくる声をだ、石川は志賀に話した。
「あらゆる計算を即座にしてくれる」
「そんなものか」
「そや、これがあれば」
 まさにというのだ。
「すぐにや」
「計算が出来てか」
「経理とか財政のことがな」
「すぐに出来るな」
「そうした神具や、それに」
 石川はさらに話した。
「神託を乗り越えて」
「強くなったか」
「これまで以上に」
 そうもなったというのだ。
「有り難いことに」
「そうか、これで君もこれまで以上に」
「この世界を救う為に働ける」
「そうだな、じゃあな」
「次の場所に行こうか」
「世界を救う為に」
「そうしよう」
 石川は笑顔で言った、そうしてだった。
 二人は新たな旅に出た、
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