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艦隊これくしょん〜男艦娘 木曾〜
第七十二話
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イズ感が好み……ゲフンゲフン。

『二階南東階段付近に木曾さんと不知火ちゃんが移動してます!その他も各階段へ二人一組移動中!総員、最初の指示通りお願いします!!』

 と、ここでスピーカーから春雨の声が聞こえてくる。

「えー!?そんなのズルいっぽい!反則っぽい!」
「……なんでバレてる?」

 若葉は目を丸くしてスピーカーを見つめた。

「春雨はある程度の距離に居る周りの人を感じる事ができるっぽい!人でも艦娘でも深海棲艦でもお構い無しっぽい!」
「…………へぇ」

 若葉は感心したように頷いた。

「…………大和と似たような物か」

 そして、ぽいぽいに聴こえない位の音量で呟いた。

「あっでも、たく……てーとく、始まる前に何でもありって言ってたっぽい……むー!後で私と一晩中s(放送規制)するの刑っぽい!」

 このぽいぽい、中々とんでもない事を口走っている。ピー音が一瞬間に合わなかったでは無いか。

「ね!?若葉もそう思うよね!?」

 と、約数分間程(アウトなレベルの)文句を言っていたぽいぽいは振り返って若葉に同意を求めた……が。

「……若葉?」

 そこに、若葉の姿は無かった。

「………ぽい?」

 右を見て。

「……ぽい?」

 左を見て。

「……クンクン」

 匂いを嗅いで。

「……下に降りたっぽい?」

 ズバリ的中。やはりぽいぬである。

「……ぽい」

 ぽいぽい改めぽいぬは、てこてこと階段を降りて行くのであった。


 
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