第七十二話
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も……あのぽいぬはどこに行った」
不知火には若葉、冬華ペアが居るはずの南西階段を経由してもらった。
……いやまぁ、何となくこうなるだろうとは思ってたけども。
「えー……南西階段には、誰の姿もありませんでした、はい。」
「やっぱりなぁこんちくしょう!!」
最初南東階段に居た時は全く考えつかなかったが、あのぽいぬがペアになった奴の姿が消えて、探しに行かないわけがない。
「あー……えー……取り敢えず、作戦を伝える。消えたあいつらは知らん。場所はアイツらにはバレてるだろうけど、夕立なら何とか逃げるだろ」
頭痛がしてきた頭を押さえながら周りにいる奴らの顔を眺める。
「そう言えば……なんで春雨には私達の居場所が分かるの?」
と、五十鈴が最もなことを聞いてきた。確かに、不知火以外の奴らには説明してなかった気がする。
「それはだな──あ?」
俺が説明しようと五十鈴の方を見た時、それに気付いた。
五十鈴が立っているのは窓際。窓の外には、上から一本のロープが垂れ下がっていた。
「何だこのロープ?」
俺はそのロープを指差した瞬間だった。
窓の外に、そのロープを伝って降りてきた阿武隈が現れたのは。
─オマケ 今日のぽいぽい─
「さぁて!張り切っていくっぽい!」
ぽいぽい、出陣。食堂から勢いよく飛び出して行った……若葉の手をしっかり握り締めて。
「……おい、夕立。手を離せ」
そんなぽいぽいの暴走にも近い猛ダッシュに、驚くことについて行けている若葉だが、若干嫌そうである。
「ぽいぽいぽいぽーーーいっ!!」
若葉のそんな様子も露知らず。満面の笑みを浮かべたぽいぽいは、弾丸のようなスピードで持ち場に向かったのであった。
─二階 南西階段─
「とーちゃくっぽい!」
「…………手を離せ」
ものの十数秒で持ち場である南西階段に辿り着いたぽいぽいと若葉。
しかし、呉鎮守府に所属している『魔人木曾』と足の速さが互角なぽいぽいに着いて行って、全く息を切らさない若葉。地味にヤバい。
「ぽい?あ、ごめんっぽい」
やっと気付いたぽいぽいは、すっと手を離す。
「…………嫌だったっぽい?」
若葉が嫌そうな表情をしていることに気付いたぽいぽい。物凄く不安そうな顔をして若葉の顔を覗き込んだ。
「…………別に」
若葉はボソッとそう言うと、ぽいぽいに背を向けた。
「そ、それなら良かったっぽい……」
胸を撫で下ろすぽいぽい。余談だが、ぽいぽいといい春雨といい時雨といい、白露型は胸部装甲が中々である。個人的には時雨くらいのサ
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