第七十二話
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葉ってどんな奴?」
「え?えー……そうですね、ずっと一人で……自分からは何もしようとしない、めんどくさい艦ですね」
「容赦ねぇなおい」
薄々気付いてはいたが、この不知火、なかなかいい性格してる。昨日の榛名さんへの一撃といい。
「ただ……実力はあると思います。他の艦が沈む中、ずっと生きていますし」
「……そこに関しては同感だ」
昨日のゴキ○リ退治の時の刀の腕前からして、既に一線を画しているようにも思えた。
「さてと……まぁ、それは置いといて……不知火、これから作戦を伝えるから」
俺は壁にもたれ掛かるのをやめ、不知火に話しかけた。
─四階 執務室─
「ライオ…………っ!千尋さんと不知火ちゃんが動き始めました!二手に別れて廊下を走ってます……って、不知火ちゃん足速っ!?千尋さんより速いですっ!」
「へぇ……いいねぇ」
「感心しないで指示出してください!」
放送を掛けてから数分後、暇だからしりとりを始めていると、春雨が二人の動きを感知したのか、大きな声を出した。と言うか、今春雨『ライオン』って言おうとしてた気がする。大丈夫かこの娘。
「あー……多分、二人で対角の階段に行って七人全員で階段強行突破って所かな……昔っからRPGじゃ防具より武器だったなぁ」
ちなみに僕は武器より防具、悠人は銅の剣を無視して先の街の鋼の剣を買うタイプだ。
「んじゃあ……」
と、僕は春雨に指示を出した。まるで意味がわからないというような顔をする春雨。
「えっと……いつの間にそんなものを?」
「ほら、昨日の夜、僕と千尋とでバルサン使ったでしょ?その時に」
「……呉の提督さんに似てきましたね」
「どういたしまして」
最高の褒め言葉を貰ったところで、足を組んで椅子に座る。
暫くは、高みの見物と行こうじゃないか。
「……一応言っとくけど、聞こえるギリギリの音量で三階だけに流してよ?間違っても全体に放送しないでよ?」
「………………はい」
「しようとしてたの!?」
一抹の不安を覚えながら、春雨の背中を眺める。
「…………あ」
そこで、春雨は何かに気づいたのか、再び虚空を見つめる。
「……どうしたの?」
僕が問い掛けると、春雨は非常に困惑した様子で答えてくれた。
「冬華ちゃん……階段降りてます」
─二階 北西階段─
「……さぁ、不知火。事情を説明してくれ」
北西階段に着いた俺は、先にたどり着いていた不知火たちの姿を見て、若干顔を引き攣らせた。
どこからどう見ても、不知火、山城さん、弥生の三人しかいない。
「……いやまぁ、若葉はいい、元からその予定だ。で
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