暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン6 黄金に輝く太陽の炉心
[9/21]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
クス!」

 ソーラー・ジェネクス 攻2500

 ゆっくりと腕を伸ばし高く天を指した青木の頭上で、突如爆発的にオレンジの光が弾けた。眩く暖かい光の粒子を身にまといそこに現れたのは、すらりとした人型のジェネクス。両腕と背中には戦闘機の翼を思わせる意匠が取り込まれ、その胸の中央には太陽の光を受けて輝く黄金の炉心が無尽蔵とも思える光を放つ。
 しかし、そのソリッドビジョンはどこか不安定だ。具体的にどこが、というわけではないが、微妙にその細部には通常よりも粗が見られる。カードそのものがボロボロであるせいか、読み取りに若干の不具合が生じてしまっているのだろう……過去に様々なカードを見てきた経験から、そう鳥居は推測する。
 正直な話ソーラー・ジェネクス自体はさほどレアリティが高いわけでもなく、いまだ営業を続けている適当なカードショップにでも行けば、それこそワンコインでもっと状態のいいものが買えるであろう。それでも青木は、この1枚を自らの相棒と呼んだ。この傷ついた1枚こそが彼の人生を一変させた恩人であり、彼のデュエリストとしての第二の人生の象徴でもあるからだ。これは、社会の荒波の中で自分を信じる気持ちを失った彼にとっての心の拠り所。このカードと共に戦う時だけは、不思議と負ける気を感じなかった。

「『ついに輝く太陽が、我々の頭上に昇ってしまいました!風、そして太陽。鋼鉄の兵団ジェネクスは、恐るべきことにその空の全てを手中に収めてしまったというのでしょうか!大いなる海に引き続き、偉大なる空を敵に回すこととなった魔界劇団。果たしてこの状況からどのように勝利という名のエンディングを導くのか、皆様どうか最後まで目を離さずにご鑑賞お願いいたします!』」

 しかし、それは鳥居も同じこと。青木が人生をカードに救われたというのなら、彼もまたその人生をカードに導かれた存在。物心ついたときから肌身離さずカードに親しみ、舞台をそれらと共に駆け回り、まるで生あるもののように接してともに成長してきた彼の半生こそが、たとえどんな相手にどれほど追い詰められようとも最後の最後までこの演劇デュエルという自信の信じるデュエルスタイルを、そしてエンタメを捨てない確固たる自信とプライドの源だった。それにそもそも、まだデュエルは始まったばかりなのだ。

「通常魔法、サモン・ダイスを発動。ライフ1000を支払うことでサイコロを1度振り、その出た目に応じた効果を発動します。私の出す目は……3!よって私の墓地から先ほどリリースしたジェネクス・コントローラーをそのまま蘇生。そして永続魔法、マシン・デベロッパーを発動。このカードが存在する限り、互いのフィールドに存在する機械族モンスターの攻撃力は200ポイントアップします」

 青木 LP4000→3000
 ジェネクス・コントローラー 攻
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ