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遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン6 黄金に輝く太陽の炉心
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はスケール8にて波乱を起こすアドリブの達人。魔界劇団−コミック・リリーフの登場です!』」

 左手に上がった光の柱には、8と書かれた光の数字……そして、その中でジャグリングをしつつぐるぐる模様の瓶底メガネの奥から舞台の様子に目を光らせるむっちりと太った悪魔の姿。
 ここは本来ならば目当てのコミック・リリーフを直接持ってくるのではなく、まずもう1体のメロー・マドンナを発動し、そちらのP効果を経由してリリーフをサーチするべき場面であった。そうすればデッキの圧縮に繋がるだけでなく、左右で0と8のスケールを描くこともできただろう。
 しかし、彼はそれを選ばなかった。その躊躇いの理由こそが青木が先ほど伏せたカードの存在であり、もうひとつが先のターンにサーチされたソーラー・ジェネクスの存在である。彼自身【ジェネクス】にはそこまで詳しいわけではないが、あのカードがバーン効果を持っているということは頭の片隅に覚えていた。まだまだ数字に余裕があるとはいえただでさえ減っているライフをさらに減らすことを、彼の勘は良しとしなかったのだ。

「『そして私の手札には、こちらの団員がもう1体。魔界劇団−コミック・リリーフを通常召喚!』」

 魔界劇団−コミック・リリーフ 攻1000

 光の柱の中にいるコミック・リリーフが短い手を振り回して指示すると、その真下からもう1体、そっくり同じ瓶底メガネの小さな悪魔が自分の背丈ほどのサイズのボールで玉乗りすることでその低い身長をごまかしながらも出陣する。ただしその恰好は適用中のファンタジー・マジックの世界観に合わせてか妖精のような羽根を背中に装着し、手には魔法の杖らしき棒を握りしめてのまるで似合わない妖精スタイルであり、その姿に客席から思わずといった様子の失笑が漏れる。

「『さあ、舞台は整いました。カードを1枚セットして、コミック・リリーフのP効果を発動!相手モンスター1体と私の魔界劇団1体をそれぞれ選択し、その2体のコントロールを入れ替えたのちに自らを破壊してしまうのです。レアル・ジェネクス改め魔界劇団−ヴィンディカイトには、彼らの専用機となっていただきましょう!』」

 妖精ルックのコミック・リリーフが魔法の杖を放り投げ、代わりに懐からペンキとハケを取り出してヴィンディカイトを魔界仕様に塗装すべく指をワキワキとさせながら玉乗りしたままの怪しい笑顔でにじり寄っていく。
 これが通りさえすれば、もはや勝負の大勢は決するほどの一手。事実そこいらのチンピラが相手であれば、これは必殺の一撃となりえたであろう。しかし、青木はプロデュエリストだった。

「させるものか!永続トラップ、ディメンション・ゲートを発動!このカードは発動時に私のモンスター1体を除外し、このカードが墓地に送られた際にそのモンスターを再び特殊召喚する
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