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遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン6 黄金に輝く太陽の炉心
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0ポイント上昇させる不思議な力の持ち主。さらにそのカーテンの内部は摩訶不思議、彼らの楽屋と舞台袖を繋ぐ四次元通路。カーテン・ライザーの体を通じて舞台袖(デッキ)から魔界台本1冊を墓地に送り、楽屋(エクストラデッキ)に表側で存在する魔界劇団1体を私の手札へと呼び寄せるのです。魔界台本「オープニング・セレモニー」を墓地に送り、メロー・マドンナを手札にて再スタンバイしていただきましょう。このまま効果へと繋げたいところですが、あいにくと彼女がそのたぐいまれなる美声を披露するのは1ターンに1回のみ。私はこれで、ターンエンドです』」

 手痛い妨害を受けつつも、どうにか最低限のリカバリーを終えてターンを終える鳥居。しかし目の前の冴えない男は仮にも1回戦を勝ち抜いてきた強者、彼としてはデュエル中1度しか使えないカーテン・ライザーの効果まで切ってこれでは不服な結果である。

「では、私のターン。鳥居君、でしたか。先ほどのデュエル、拝見させていただきましたよ。実に見事なショーでした」
「……」

 ターンが移る。だが青木がカードを引くよりも先に口にしたのは、対戦相手への称賛の言葉だった。その真意を測りかねる鳥居に、しかし、と言葉を続ける。

「君のように未来ある若者には大変申し訳ありませんが、私にとってもこの1戦は生活のかかった大事な試合。決して手を抜くような真似はしませんので、そのことだけはお覚悟ください」
「『当劇団はいつでもどこでも真剣勝負。そして勝利の瞬間をお届けする。筋書などはありませんが、結末は常に1つをモットーとしております』」
「そうですか。ですが私も、負けるためにこの場へと来た覚えはありません。私のターン、ドロー。私のフィールドにモンスターが存在しない時にSR(スピードロイド)ベイゴマックスは手札から特殊召喚でき、さらにこのカードが場に出た際に私はデッキから別のSRモンスター1体をサーチします。タケトンボーグを手札に加え、そのまま効果を発動。タケトンボーグは自分フィールドに風属性モンスターが存在するとき、手札から特殊召喚が可能です」

 無数に連なったコマのようなモンスターに、竹トンボが変形して小型ロボットのようになったモンスター。召喚権すら使わずに手札消費1枚からモンスターを2体並べるこの強力なコンボは、本家【SR】のみならずあらゆるデッキに採用の余地がある。
 そして逆に言えば、この段階では幽鬼うさぎ含めまだ汎用カードしか使用していない青木のデッキ内容はわからない。いずれにせよ、次に出すカードでその内容も見えてくると気を引き締めた。

 SRベイゴマックス 攻1200
 SRタケトンボーグ 守1200

「チューナーモンスター、A・ジェネクス・ケミストリを召喚します」

 A・ジェネクス・ケミストリ 攻20
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