暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン6 黄金に輝く太陽の炉心
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名優、ビッグ・スターが走り続けるニゲ馬車の上に着地する。その座席の上で左右をメロー・マドンナとビッグ・スターに挟まれる格好となった鳥居が、指をパチンと打ち鳴らす。

 魔界劇団−ビッグ・スター 攻2500

「『そして、ビッグ・スターの効果発動!デッキより台本1冊を選択し、私のフィールドへとセットいたします。選び抜かれし演目の名は……ここは王道を行く、私の一座で最も人気の高いあの演目といたしましょう。魔界台本「魔王の降臨」をセット!』」

 ビッグ・スターがニゲ馬車に座り込んだまま横に手を伸ばすとその手の中に光が集まり、次の瞬間には分厚い1冊の台本が握られる。まさにそれを開こうとしたタイミングで、青木が最後の抵抗に打って出た。

「この瞬間に永続トラップ、ディメンション・ガーディアンを発動。私のフィールドで表側攻撃表示のソーラー・ジェネクスを選択し、このカードが存在する限り選択したモンスターは戦闘及び効果によって破壊されない!」
「『なるほど、太陽は沈まない、というわけですか。ですが、もし私がそれを待っていたとしたら、どういたしますか?』」
「な、なに?」

 困惑と同時にかすかな後悔が、青木の表情をよぎる。その姿が、ニゲ馬車の上にいる鳥居からははっきりと見えた。まさに彼が狙っていたのは、あの唯一の不確定要素であった伏せカードが表を向くこの瞬間。この瞬間、彼の勝利は決定した。

「『あなたにとってそのソーラー・ジェネクスは、相棒と呼ぶほどに大切なモンスター。そして先ほどあなた自身が使用していたマジック・プランター。この2つの要素が明らかになった時から、想像はついていました。おそらくあなたの伏せカードは永続トラップ……それもソーラー・ジェネクスを蘇生させるリビングデッドの呼び声、あるいは破壊から守る安全地帯のように防御的なカードだろうとは感じていましたが、どうやら当たりだったようですね』」
「私の伏せカードを読んでいた、と?」
「『ええ。ですがそれはただの予想であり、確信には至る証拠はない。そこで、ビッグ・スターには一芝居打っていただきました。レベル7以上の魔界劇団が存在するときに相手からのチェーンを許さない魔王の降臨をセットすれば、もしその伏せカードがフリーチェーンで発動できるタイプのカードならばその発動タイミングはセットから発動までのほんのわずかな隙間、まさにこの瞬間しかありませんからね。とはいえかなり綱渡りでしたよ、もしソーラー・ジェネクスをフィールド外へと逃がすディメンション・ゲートのようなカードを伏せられていたら、私としてもかなり困った状況に追い込まれていました』」

 隣で手綱を取る女勇者に合図して、ニゲ馬車をその場に停止させる。馬車の上と下でわずかに向かい合い、最後の手札をデュエルディスクに置いた。

「『
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