ターン6 黄金に輝く太陽の炉心
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墓地に送られたコントローラーの魂が光となってまっすぐに向かった。そしてその光をまたしても吸収したソーラー・ジェネクスが、そのエネルギーを凝縮させることで額から細いものの力強い一筋の光線を放つ。いくら直進するニゲ馬車といえど、光よりも速く走ることは不可能。背後からみるみるうちに距離を詰めた光線は、座席に穴をあけつつ鳥居の体を突き抜けた。
鳥居 LP2800→2300
「『ぐっ……ですが今度こそターンエンド、ターンエンドです!』」
軽い火傷の痛みが服を、そして胸を突き抜けて彼を襲う。しかし「BV」の効力が弱まっているうえに元のダメージ自体も500と微量、すぐに冷やしておけば跡が残るようなこともないときっぱりとその痛みを脳から遮断した。エンタメを行う演者として、舞台上で役としての演技ではなく自分自身の苦しみをあらわにすることは本来あってはならない。例え舞台で骨が折れたとしても、それを客に悟られるようではまだ二流。彼はそう教わってきたし、それが正しいことだと思う。
「馬車に……いや、魔法カードに直接自分が乗り込んでデュエルとは、まったく恐れ入りました。しかし、いくら常識破りのことをしたとしてもデュエルには影響を及ぼさない、それだけで勝利を掴むことは不可能。私のターン、ドロー。通常魔法、マジック・プランターを発動。永続トラップ1枚をコストに、カードを2枚ドロー」
青木がカードを引く様子を、やはりあのカードが入っていたか、とニゲ馬車から冷静に観察する鳥居。となると、彼のデッキにはほかにも永続トラップが何枚か入っている可能性は高い。しかし、彼はここまでにいまだ1枚しか永続トラップを使用していない。となると、確率的にもそろそろ他を引いてもおかしくない頃か?
「そしてディメンション・ゲートがフィールドから墓地に送られたことで、除外されていたヴィンディカイトは再びフィールドへと帰還。マシン・デベロッパーの効果により攻撃力アップ!」
レアル・ジェネクス・ヴィンディカイト 攻2400→2600
「さらに私はここで、ジェネクス・サーチャーを通常召喚。そしてこのカードも機械族、よって攻撃力がアップ」
ジェネクス・サーチャー 攻1600→1800
装甲に覆われていないむき出しの配線や、体のあちこちから飛び出るコードもそのままに上級ジェネクスと並んで召喚された、メインカメラの代わりらしき赤色ランプをゆっくりと回転させる機械の兵士。今にも機能停止してしまいそうなその体はしかし、そのフレーム丸出しの細い両足で会場の床をしっかりと踏みしめていた。
「バトルフェイズ。まずはジェネクス・サーチャーで、カーテン・ライザーに攻撃!」
サーチャーが赤色ランプを走り続けるニゲ馬車に向け、ぎこちない動きで小型ミサイルを放つ。
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