ターン6 黄金に輝く太陽の炉心
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よって!無論言うまでもありませんが、メロー・マドンナはペンデュラムモンスター。フィールドから墓地へと送られる場合、墓地ではなくエクストラデッキへと送られます。正義求める不屈の魂に終わりなどありません。何度傷つき力尽きても、勇者は必ず立ち上がるのです!』」
再びがら空きになった鳥居のフィールドの空白を埋めるように、朗々とした彼の声が響き渡る。いささかもその闘志に揺らぎがないことを示す言葉のリカバリーに、わずかに青木の表情が変わる。
「なるほど、どうやらあなたのことを私は誤解していたようですね。これだけの観衆を前にしながら、まるで衰えないその自信。私があなたほどの年の頃には、決して持ち合わせていなかった……いえ、つまらない話でした。私は、これでターンを終了します」
「『それではこれより私のターン、ドロー!』」
彼の手札は、このドローを含め残り2枚。だが、まだ足りない。彼の今求めるカードは、手札にない。
「『ならば、このターンは……私はライトPゾーンにスケール2、魅力あふれる魔法のアイドル!魔界劇団−プリティ・ヒロインをセッティング。これにて描かれしスケールは2と8、すなわちレベル3から7のモンスターを同時に召喚可能となりました。ペンデュラム召喚!』」
彼のエクストラデッキに、表側で存在するペンデュラムモンスターは全4体。しかしリンクマーカーが1つも向いてない彼のフィールドにそこから呼び出せるのは、そのうちわずか1体のみ。そして彼がこの局面で選んだのは……フィールドが丸い影に覆われたかと思うと、体を開くことで空気抵抗を目一杯に生かし、ふわふわとテントに手足が生えたような奇抜な団員が最初のターンと同じように降りてくる。
魔界劇団カーテン・ライザー 攻1100→2200
ここで、彼にはもう1つの選択肢があった。彼のPゾーンにはいまだ、コミック・リリーフが生きている。適当にペンデュラム召喚を行い、直後にその効果を発動すれば青木の場からソーラー・ジェネクスを奪い取ることもできたろう。その際にもう1体のコミック・リリーフを送り付けさえすればその効果……コントロールが移った際に元々の持ち主が自身のセットされた魔界台本を破壊できる強烈な能力を発動することも、十分に狙えたはずだ。
それでも彼がその選択肢を選ばなかったのには、いくつかの理由がある。まずソーラー・ジェネクス自体の効果がジェネクス専門であり、彼のデッキではその力をまるで発揮できないこと。またこのターンに何をしたところでディメンション・ゲートとその先に帰還するレアル・ジェネクス・ヴィンディカイトの布陣を突破し青木のライフを0にすることまでは不可能で、それならばペンデュラム効果の発動後に自壊してしまうリリーフをプレッシャーとしてこのままPゾーンに置いておくのも悪くな
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