艦娘とスイーツと提督と・33
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て、此方を熱っぽく見詰めてくる。身体の奥の芯の部分がカッと熱くなって来たのは、コーヒーに入っている酒のせいだけじゃないだろう。
「これなら十分に店が開けるレベルだぜ?実際」
「カフェ、か……ふふふ」
「何だよ、いきなり笑って」
「いや、もしもこの戦争が終わって私が生き残っていたら、そういう第二の人生もいいかもしれないと思ってね」
「……バカ言え、お前には生き残ってもらわんと困る」
「あ、アトミラール?それは一体どういうーー」
「あんまり人には話した事はねぇがな、俺は提督を引退したらここの土地と建物を買い上げてリゾート施設を作ろうと計画してんのよ」
まだ具体的な計画も出来ていない、夢物語に近い与太話だ。だが、グラーフになら話してもいい……直感的にそう思った。
「そこには遊ぶ施設だけでなく、寛ぎを提供する場が必要だ……どうだ?艦娘を辞めた後も、俺の側で仕事する気はねぇか?カフェのオーナーとして」
グラーフは少し悩んだ様子を見せて、ポツリと呟いた。
「……それは、この戦争が終結したらの話だろう?」
「そうだ。それまではこのクソッタレな殺し合いの現実からは降りられない」
「でも……そうだな、そういう未来への希望を持って戦うのも良いかもしれないな」
グラーフはしみじみと、心からそう願うように呟いて、朗らかに笑って見せた。
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