第三幕その六
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「本当に」
「朝御飯に本当にね」
「いいんですよね」
「お茶の味がよくて」
ゆで卵を煮ているそれがです。
「食べやすくて」
「軽く食べられて」
「いいのよね」
「お粥もそうなんですよね」
「あとお饅頭ね」
ドロシーはこちらもと言います、見ればテーブルの上にはお饅頭もあります。中国のお饅頭のあんがお肉のものです。
「それもね」
「朝によく食べますね」
「そうよね」
「中国ではよくなんです」
「茶卵にお粥に」
「お饅頭が朝御飯なのよ」
「僕もよく食べます」
神宝はドロシーににこりと笑って答えました。
「寮でも」
「そうなのね」
「はい、寮でよく出るんです」
「そうそう、中国の朝御飯もね」
「寮だとよく出るよね」
ジョージとカルロスが言ってきました。
「色々な国の食事が出るけれど」
「中国の朝御飯も」
「それでなのね」
ドロシーは二人のお話も聞いて言いました。
「じゃあ二人も中国の朝御飯を食べてきているのね」
「そうしています」
「出た時は」
「僕は中国にいる時から食べています」
中国人の神宝はそうでした。
「だからもう完全に普通ですね」
「そうよね」
「女の子の寮でもよく出ます」
ナターシャも言ってきました。
「本当に」
「そうなのね」
「暖かくて美味しいですね」
「本当にそうよね」
「あれっ、確か皆家族と一緒に住んでるんじゃ」
恵梨香は四人のこのことに気付きました。
「神戸に」
「そうなんだけれどね」
「時々寮にいたりするんだ」
「留学生の子同士親睦を深める為に」
「何日か泊まったりするの」
神宝達は恵梨香にすぐに答えました、恵梨香は日本人で学校のある神戸に暮らしているので自宅から学校に通っているのです。
「そうしているの」
「一ヶ月のうちに十日位かな」
「それ位いる時もあるね」
「結構寮にいるよ、僕達」
「寮は寮で楽しいわよ」
「そうなのね。うちの学校留学生の子多いけれど」
恵梨香達がいる初等部でも学園全体でも半分位が留学生なのです、それが恵梨香達がいる八条学園なのです。
「そうした生活をしてるのね」
「そうだよ」
「そこは恵梨香と違うね」
「恵梨香は日本人で神戸にいて」
「お家から通ってるから」
「そうなの、だからね」
恵梨香は四人に答えました、海鮮麺を食べながら。海鮮麺はとろりとしたスープの中にあって上に沢山の魚介類やお野菜があります。
「皆のそうした暮らしはね」
「知らななかったんだね」
「僕達留学生の詳しい暮らしは」
「実はそうだったってことを」
「自宅と寮を行き来していることは」
「知らなかったわ。けれどその暮らしも面白いわね」
心から思う恵梨香でした。
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