猫娘と回想、I・アイランド編
NO.104 回想《9》 出久達の決断
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「だからって、なにもしないで事態が悪化するかもしれないのをここでじっと待っているしかないのか……?」
「……ッ!」
それで八百万は声を詰まらせる。
それで他の一同も今どう行動するかを考えている時だった。
「……僕は、助けたい」
「デクちゃん……?」
出久は俯いていた顔を上げて、
「助けに、いきたいんだ」
「ヴィランと戦う気かよ!? USJや保須市とかで懲りていないのかよ、緑谷!?」
だが、出久はかぶりをふって、ヴィランとは戦わずに、みんなを助ける方法を模索したいと言った。
それは全員の心の琴線に触れた。
だが、実現するにはあまりにも壁が大きいこともまた事実。
「でもよ、現実的に考えて無謀じゃ……」
「それでも探さなきゃいけないんだ。今僕たちができる最善の行動を、みんなを助けられる方法を……」
それでメリッサはそんな出久の姿にヒーローの在り方を見た。
だから話すことにした。
今この状況を打開できるであろう方法を。
「I・アイランドの警備システムはこの最上階にあるわ。そこをどうにかできれば……」
それである提案がされる。
きっとヴィラン達がシステムを掌握しているのなら、認証プロテクトやパスワードも解除されている。
よってシステムの再変更をできれば警備システムも正常に戻るかもしれないと。
「これならみんなを助けられるかもしれない」
メリッサも出久と同様にすでに覚悟は決まっていたようであった。
上記通り、まだヴィラン達はシステムの掌握を完全にできていないために、現状は出久達にはまだ実害はない。
戦いを回避できるのであればなんとでもできよう。
それで一同がやる気を出し始めていた。
だが、
「最上階にはヴィランがきっといますわ」
「戦う必要はないんだ。システムを取り返せれば、ヒーロー達の捕縛も解除される。オールマイトも復帰する。逆転できるんだから」
そんな出久の姿や言葉に改めて飯田は驚かされていた。
男女で差別をするつもりはないが、それでも普通なら怯えてしまうところを出久は強い意志でやり遂げようというヒーローの心をすでに持ち合わせているのだから。
「(緑谷くん……いつも君には追い越されているばかりだな)」
それで胸が高揚する気分になっていた。
そして、
「デクちゃん、行こう!」
「麗日さん!」
最初にお茶子が声を上げる。
それにつられて「ウチも!」「俺もいくぜ」と轟と耳郎も賛成する。
飯田はそれで険しい顔をしながらも、
「危険と判断したら引き返す。それが飲めるのなら俺も同行しよう」
「そういう事であれば、私も」
「よっしゃ! オレもいくぜ!」
飯田、八百万、上鳴も賛成した。
これで残るは峰田だけであった。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ