第86話
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「最初の砲撃から12時間後――――つまり、本日の16(ヒトロク):30(サンマル)までは待ちますし、30分前まではオルディス地方に配備されている列車砲の砲口を峡谷方面にも向けません。それと砲撃の30分前には皆さんへの退避要請の為にそちらに連絡を差し上げます。ですからそれまでに皆さんの尽力によって解決できること…………心から祈っております。」
そしてエリゼの問いかけにユーディットは真剣な表情で答えた。
〜フォートガード〜
一方その頃列車砲の砲撃によって灯台が木端微塵に破壊されていた。
「と、灯台が…………!」
「いかんな………住民の避難を急がせよう!」
「こちらはいったん峡谷方面へ向かいます…………!」
「あ、ボクも!」
「オレも付き合います!」
「私も付き合おう。バイクで飛ばせるはずだ。」
「閣下、パトリックもフォートガード方面を頼みます!」
パトリックとハイアームズ侯爵にフォートガードの事を託したユーシス達は峡谷方面へと急行し始めた。
〜グラーフ海上要塞・司令室〜
「馬鹿な…………今度は全軍を峡谷に送れと仰るのか!?」
同じ頃ウォレス准将は通信相手であるバラッド侯爵のとんでもない指示内容に怒りの表情で問いかけた。
「そ、そうだ…………!列車砲を全て奪還するのだ!いいか、無傷でだぞ!?元手が掛かっているのだからな!それと絶対にユーディット達に破壊されないように迅速にだ!」
通信相手であるバラッド侯爵は起きたばかりなのか、就寝時の寝間着姿でウォレス准将と通信をしていた。
「新海都の守備はどうするのです!それにグラーフ(ここ)を空ける訳には!」
「あ、あの砲撃の前に守備など何の意味がある!?新海上要塞はワシに任せよ!これより護衛と向かうのでな!」
「くっ…………まさか自分だけがここに逃げてやり過ごすつもりか!」
「准将、峡谷に軍を送るにせよ、ここを明け渡すわけには…………!」
バラッド侯爵が通信を切ると地方軍将校の一人はウォレス准将に意見をした。
「いや―――統合地方軍へのバラッド侯の監督権限は絶大だ。違えるわけにもいかん…………だが、あらゆる事態に対応できるようにしておこう。第一から第八は峡谷方面へ!俺が指揮を執る!九から十二は新海都周辺に展開!避難誘導や被害への対応を行え!」
「イエス・コマンダー!」
ウォレス准将の指示に力強く答えた将校達はそれぞれ行動を開始し
(”あの方”の言葉通りか…………綱渡りになりそうだが…………果たして間に合うか?)
ウォレス准将はある人物の事を思い返して考え込んだ。
〜演習地〜
それぞれが行動を開始している中リィン達は要請を持ってきたレクター少佐と対峙していた
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